ねむみめも

ねむみめも

It's ineffable.

National Theatre Live 「善き人」:境界線を書き換えずにいられるか

去年の10月に、David Tennant主演の舞台「善き人」を観た。原題はGOOD。National Theatre Liveは上映期間が短いのが難点だけど、過去に観たものはどれも心の底から観て良かったと思える演劇体験になったので、今作もどうにか時間をやりくりして劇場へ。結果、静かな衝撃を受けました。

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引用元:NTL公式サイト

あらすじ

第二次世界大戦中のドイツ。大学教授のジョンは、働きながら妻子や母のケアに努めている。家庭の悩みを吐露する相手は古くからの友人であるユダヤ人医師モーリスだったが、介護からの非現実的な逃避として書いた安楽死を肯定する小説がヒトラーに気に入られ、ナチスに入党。友人との板挟みになりながらも、意図せずして中核へと関与するようになる。

 

無意識の奥底を覗く不思議な鑑賞体験

 幕が降りた瞬間に涙が目の縁に盛り上がってきて、でも泣いて済ませるのも違う気がして息を細く長く吐いた。きちんと受け取りきれていないこともいくつもあるのだろうと、頭の中がぐるぐると渦巻き出す。

とはいえ、NTLのサイトであらすじを読んだかぎりでは観た後にずーーーんと気落ちしそうだな、しばらく引きずられるかなと不安に思っていたので、そうはならなかったことにいちばん驚いた。もちろんハッピーでも爽快でもない。かといって強いメッセージをそのまま目の前に突きつけられるわけでもなく、激しく感情を振り回されるのとも違う。物語と現実の狭間でひたひたと心に沁み入ってくるような、心臓を優しく握り込まれていたみたいな……気付かぬうちに感情が湧き出して、考え込まされる作品。

簡単には言語化しがたい感情を、直接的なメッセージを使わずに掻き立てられた、そのこと自体にも心を掴まれました。ほとんどの登場人物を3人で演じ分けるキャストのお芝居がすごいし、演出もすごい。

私は「ヤクザと家族」ぶりに味わう脳内ぐるぐるレベルだった。思考の海に放り出される。すべての人がこれを観た方がいいとさえ思うが、でもこれを観て何も感じない人がいたらそれこそ絶望してしまうとも思う。

 

※ここから先は内容に触れます。

いつでも踏み外しかねない道/意図しなければ善なのか

ずーーーんとならなかったといっても、昏い気持ちがゼロということではない。

私が、そうなってしまうんじゃないかといつもうっすら恐れているものなのだ、「善き人」。

誰が見ても、冒頭のジョンは特別悪い人ではないはず。自分の特権には無自覚だけど、家事を一切できない無気力な(鬱病なのかな)妻のケア、働きながらの家事育児、自分がどこにいるかもわからないほどの状態(認知症なのかな)の母の介護が重なって押しつぶされそうな人である。その上で、自分を尊敬している利発な若い女学生とのコミュニケーションに魅入られ不倫へと発展することにはじまり、当人からしたら仕方ないと言う他ないのであろう善悪の越境が重なっていく。ほんとは仕方なくなんてない、立派な正当化であり、傲慢な無関心なんだけど。実際のところ善悪はゆるやかなグラデーションになっていることが多いし、不安定な精神状態で判断すべき材料を見失わずにいるのは簡単なことじゃない。

私にとって肝心なのは、ジョンが越境をはじめから意図していたわけではなかったということ。

自らをgoodと信じることに精神を費やして思考を放棄しているうちに、踏み越えたはずのボーダーラインは自分の現在地にあわせて書き換わる。そこにボーダーラインなんて無かったことになる。意図していなければ越境じゃないみたいに。そうしていつのまにか、取り返しのつかないほどの自己保身が完成する。私はそこに自覚的であれるんだろうか、もう境界線を書き換えてはいないだろうか。

無知も無関心も、客観的に考えれば善の根拠*1になんかならないことは明白なのにね。リアルな楽団の演奏する様にこちらの胸がぎゅっとなった直後に差し込まれるジョンのあまりに無関心な反応、恐ろしかった。

物語として眺めると、はっきりとジョンは間違っている。自分を善と信じ続けるために、引き返すことはせずいくつもの境界線を踏み越えた。でも現実において渦中にある時、境界線は必ずしもわかりやすく目に見えるかたちで存在しない。自分の正しさを疑う視点はしんどくてもどうにか手放さずにいたい。とか考えるあたり、私も善き人でありたいし、自分が善き人だと信じたい欲があるんだな〜。*2

やっぱり、観て良かった。

 

*1:ジョンは「自分はhappyだ」と言う。アンの「あなたはgoodよ」という言葉に支えられるように、あるいはそれを支えるように。観客としての私にはお粗末な論理にしか見えないけど、goodに寄りかからないhappyを確立するのも大事だな。

*2:どちらかというと悪でありたくない、というほうが正確な気もするが、これは宗教的なベースの違いなのかしら。

また作りたいレシピ 2024年4月第2週

・豚肉と細切り野菜の元気鍋

今井真実さん、気分変えたいな、という時にぴったりなレシピを提供してくださる。我が家では豚肉の鍋といえば常夜鍋だったんですが、このレシピに出会ってからこちらに傾き気味で今年すでに5回目。塩やレモンでもさっぱりおいしいし、万能葱だれがまた絶妙。ねりごまと辣油とあわせるとほぼ担々麺の味わいになるので最近は山椒を花椒に代えて作っている。コリアンダーを切らしているのを忘れて無しで食べたこともありまして、それはそれでシンプルにおいしかったことを記しておきます。

 

・すだち素麺

白だしだけじゃなくて麺つゆも少し混ぜるところが気に入っているレシピ。大根おろしは今回はスルー。すだち、はしっこまで綺麗にスライスするの難しいので、切れ端はぎゅっと絞って果汁だけ使っている。

すだちの旬ではないけど、さっぱりしたのが食べたい気分、ということですだち素麺にただただ焼いた野菜と鶏肉、というごはんになった。焼き野菜が好きなので何にでも付けたくなる。

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・豆腐と塩昆布の春巻き

今週も長谷川あかりさんレシピ。たぶん来週も入る。

豆腐を春巻きの具にしたらこんなにおいしいって、誰が想像できるだろうか。なんでこんなにおいしいのですか。しかも春巻きに対して感じるちょっと作るのめんどくさい気持ちが軽やかに一掃される。素晴らしい。

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味はもう満点なんですが、油分への耐性という観点で、次に作る時は揚げ焼きではなく焼きにするかも。

 

・杏のコンフィチュール

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生杏(種を除く):砂糖を10:3くらいで煮るだけ。去年買った生の杏の一部を、洗って拭いて種を外した状態で冷凍していたので思い立ってから完成まであっという間。 数週間で食べ切るつもりで杏400g分だけ作った。

  1. 冷凍のまま砂糖をまぶし、鍋に入れてしばし放置(お好みで。時間があれば2時間〜一晩置いてもいい)
  2. すこし溶けて、浸透圧で水分も出てきたらざっと混ぜて点火(中火〜強火)
  3. 時々軽くつぶすように混ぜつつ様子を見る
  4. ぐつぐつしてアクが出てきたらすくって弱火にする
  5. 好みのかたさ一歩手前で火を止める(点火からここまで15〜20分ほど)
  6. 完成!

私は主にソーダに使いたくてジャムほどのかたさを求めないのと、果肉感を残したいのと、すっぱいのが好きなのでこんな感じにしていて、たぶんコンフィチュールの範囲に該当するのだと思う。

フレッシュなもののほうが季節を感じられるけれど、下準備だけして冷凍ストックしておくと気軽に作りやすいのでおすすめ。家で好きなだけおいしいフルーツソーダを飲めるのは良いものです。

アイスランド旅行記[9]さよならレイキャビク

2020年1月2日! レイキャビクを発つ日の記録、前編です。

 

旅程概要はこちら。

前日、氷河を見るべく15時間バスツアーに参加した様子はこちら。

 

 

レイキャビクに着いた大晦日は早仕舞いのお店も多かったし、ドライブの疲れと年越し花火への心の準備もあってあんまりお店を巡れずにいたのでした。そんなわけで、この日は市内で心ゆくまでお買い物。

朝の9:30でもまだ夜みたいな暗さ。


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あ、シャワルマだ! MCUでお馴染みのシャワルマだーー!

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(入らずともテンションは上がる)

 

看板猫のいる本屋さんEymundsson

開店前のお店も多いなか、まずは本屋さんEymundssonへ。

ふらふら店内を眺めていたらもっふもふの猫ちゃんのぬいぐるみがあって、まあリアル! と思いきや動き出して、生きてたーーー! と驚く一幕が。

なんてかわいいんだ。


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楽しいなぁ。


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ニール・ゲイマン先生の本も見つけた! ペーパーバックでも装丁がかわいい。

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この本屋さん、カフェ併設だし雑貨や食品も売っていて、フルーツシロップやらハーブソルト(例のグレーモス入りのやつ)やらを本とあわせて買い込みました。そうだ、あまりに感動して再現レシピを編み出したキャラメルルバーブジャムもここで買ったんだ。

GoogleMapのレビューを見ると最近ちょっと雰囲気が変わったのかなという印象ですが、また行ってみたいな。

 

ベーカリー&レストランSandholt

続いては、お土産屋さんエリアの中心部に位置するパン屋さん。人気店のようで、かなり混み合っていて持ち帰り用の整理券まで。

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ケーキもチョコレートもペイストリーもサンドイッチも、なにもかもおいしそう!


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散々迷った末に、シナモンロールとレモンタルトを買いました。

さらにお土産を求めてうろうろしていたらかわいいおうちを発見。

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そして道端のワキアカツグミ。かわいい!

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このあと1時間ほど買い物に邁進しました。印象に残ったお店を挙げてみる。

 

66° North

アウトドアウェア屋さん。夫がスウェット購入。

デザインはかわいいしアイスランドの環境に対応しているものを売っているので、次の渡氷時はまずレイキャビクに寄ってここでウェアを買い足そうかなと算段しています。"Keeping Iceland warm since 1926"って良いな。

 

The Handknitting Association of Iceland

毛糸屋さん。いくつかアイスランドウールの毛糸=ロピの玉を購入。羊毛製品も売ってました。夫にもしっくりくるロパペイサがあればいいなと探してたけど、ここでも他でも、これというものには出会えず。次回だな。(次回いくら使うことになるんだろう)

 

Aurum by Guðbjörg Jewellery

ジュエリー屋さん。繊細でありながら甘すぎないデザイン、眼福。

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ほわ〜〜と眺めるだけだったけど、よく見たらわりと買えるお値段だった。次回……。

(ふと思い出した。孔雀さんに連れて行ってもらった2020年のNew Jewerly TOKYOで惹かれたブランドとすこし雰囲気が似てるかも)

連結していた雑貨屋さんNielsen Sérverzlunも良かったんだけど、どうやらこの4年のうちにオンラインだけになったみたい。さらっと毎日香が置いてあってたまげました。

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ほんとにひとつひとつお店の方のセンスで選んでるのがわかって嬉しくなった。

 

マイパフィンを発見

他にも気になるお店には片っ端から入ってみて、いかにもなお土産屋さんのひとつでかわいいパフィンのぬいぐるみを買いました。


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毎日見てるけどやっぱりかわいい! パフィンのぬいぐるみはどのお土産屋さんにも置いてあるんですが、なかなかピンとくるデザインがなくて。なのにどのお店で買ったのか忘れちゃった。反省。

 

アイスランドラムのホットドッグBaejarins Beztu Pylsur

おなかが空いてきたのでホットドッグスタンドへ。


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ソーセージが帽子かぶってる……。

ホットドッグ専用置き場が備え付けられてるテーブルも意味わかんなくてかわいい! 雪に埋もれてるのもかわいい!


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こんなの用意する必要ある? というか長机でも真ん中にしかないのが可笑しい。みんなここからホットドッグ取る想定なんだね、いいねぇ。

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2020年当時ホットドッグは450kr、ソーダは250krでしたが、今は690krと380krになっています。ラムの匂いが苦手な夫は、このラムソーセージもやや癖を感じたそう(滞在中に食べたアイスランドラム、これとCafe Lokiのスープ以外はそんな夫もぺろりと平らげるほど癖がなかった)。私はそれも含めておいしくいただきました。フライドオニオンと生オニオンの食感も良かった。

IKEAのホットドッグもおいしいし、コペンハーゲンの街中いたるところにあるホットドッグもおいしくて何個も食べた記憶があるのだけど、北欧はホットドッグ文化(?)なのか? どれもシンプルでへにゃっとして見えるが侮れない。書いてたらIKEAに行きたくなってきた。

 

雁と白鳥と凍った湖

お腹が落ち着いたので、レイキャビクのランドマークであるチョルトニン湖へぶらぶらと。

夫は道端でタバコタイム。レイキャビクはロンドン以上にゴミ箱兼吸い殻入れが多かったように思う。

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湖の畔の樹はまだキラキラなクリスマスモード。この景色、好きだな。

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でも、ここを抜けたらもっと好きな景色が広がってた。

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白鳥、すいすい泳いでいたかと思ったら躊躇なく陸に上がってきて、私たちの目と鼻の先でうとうとしはじめた。ファンサがすごい。

私が陸に上がった雁たちのまねをしてひょこひょこ歩いていたら、その先にいた見知らぬ男性も同じようにひょこひょこ、手をぱたぱたさせながら歩いていて、いい大人でもやっぱりまねしたくなるよね〜〜とにっこりしてしまった。

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この写真がお気に入りで、帰国後にiPhoneケースにしました。今見ても変わらずお気に入り。

ひとしきり鳥たちと湖を眺めて大満足したところで、ちょうど正午。ホテルに戻るバスを待っている間も現地の犬がボール遊びにはしゃぐ様子を眺めてホクホク。結局こういうのがいちばん楽しいんだ。

後編、午後は巨大な温泉Blue Lagoonに向かいます♨️

また作りたいレシピ 2024年4月第1週

・牛丼

EIKOGOの牛丼回を見て卵on牛丼をやってみたくなった夫のリクエストに応えて。砂糖ひかえめで作りました。白ごはん.comの安心感たるや。

夫はアレルギーゆえに卵を食べない人生を送ってきたのだが、去年アレルギー検査をし直したら明確にアレルギーが解消されていることが判明し、それ以来積極的に卵を食べている。長年避けてきたので味に馴染みがなく、いまいちおいしさがわからないらしかったが、それでも果敢に挑み続けている。牛丼との組み合わせは気に入ったそう。というか、この牛丼の味自体がいたくお気に召してまたすぐにでも食べたいと言われ、日曜日の夜にもう一度作った。


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2回目はネギたっぷり。夫は辣油をトッピングしていた。アレンジ楽しい。

 

カリカリ豚こまの北京ダック風

なんとなく北京ダック食べたい欲がずっとあり、気になっていた町中華で頼んでみたら想定とずいぶん違うものが出てきた。

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よくよくメニューを見たら「上海風北京ダック」とある。そんな、東京ディズニーランドin千葉みたいなことですか。それはそれでおいしかったんだけど北京ダック(のぱりぱり)欲はいまいち満たしきれず、今はTHEな中華を食べにいく気持ちでもない。というところで長谷川あかりさんのレシピを思い出した。

(ところでぱりぱりの皮を食べるあの北京ダックは広東風らしい。そんな……)

意外と難儀だったのが「生で食べられる春巻きの皮」の調達。最寄りスーパーにあったのは東京ワンタンのもので、特に「このまま食べられます」という表記はない。パス。次のスーパーにはモランボンがあった。検索すると、モランボンのFAQコーナーの「一度焼いているので食べられる」という回答が出てくるが、春巻きの皮の商品ページ下部のFAQにはそれが無いし、商品自体にも書いていない。3店舗目でようやく明示してある隆祥房のものを見つけた。

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豚こまにタレを絡めて焼いてる時の香り、最高。かなり懐疑的だった夫も、おやうまいと言ってぱくぱく食べた。もちろん豚肉なんだけど、「北京ダックの気分」にはぴったりくる。

このレシピが載っている長谷川さんの最新作もおすすめです。

 

・大根サラダ

既に何度となく作っていて、今後も作るであろうレシピ。クックパッドでいちばんリピートしているかもしれない、ありがたや。ひとりで丼いっぱいに食べられてしまう。

砂糖は少し減らす。少量の胡麻油でカリカリに焼いたちりめんを追加するのが好き。

 

・あんことバナナの春巻き

モランボンの春巻きの皮もいちおう買ってあったので、それを活用するべく。あったかいあんこってなんでこんなにおいしいんだろう。もんじゃ焼き屋さんの初恋巻(あんこと杏)が大好きなので、これも当然大好きだった。

作る前は気付かなかったけど、よく見たらこれなかしましほさんのレシピだ! なかしましほさん、素朴で丁寧なお菓子が好きな方にはとてもおすすめです。

ピクニックに出かけたい春の日のメイク

春だ! ピクニックしたい!

今日みたいな陽射しを夢みて最近していたメイク、に使っているもの。

 

Cheek

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  • THREE グラムトーンカラーカスタード03
    とても黄色。ちょうど求めていたマスタードイエロー。薄くポンポンのせて、ついでに目もとにものせる。
  • NARS ブラッシュ4080
    カラーカスタードの上からふわっとのせる。発色がおそろしく良いので余分な粉を落としてほんの少しずつ。鼻筋の真ん中あたりにも水平にさっと足す。

 

Eye

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  • ADDICTION ザアイシャドウ023P Rigoletto
    何度となくリピートしている大好きなシャドウ。上品なニュアンスが出る。アイホールと下瞼に。
  • ADDICTION ザアイシャドウ028M La Mamounia
    久しぶりに買い直した。去年は025MのIncaroseを気に入って使ってたけど、パーマをかけたらもっと赤みが欲しくなって。アイホール狭め、下瞼に。
  • NARS デュオアイシャドー3919 SURABAYA Ⅰ
    PC秋には間違いのないスラバヤの左。締め色として。さらに狭く右の色を足すこともある。
  • THREE ソニックインスピレーションアイライナーX06 MIND EXPANDER
    カラーカスタードを買おうとして、なんとなく気になってついで買いしたもの。かわいい紫! 名前もいい。
  • Viseeリシェ ブラウンズクリーミィペンシルBR302
    下瞼のきわに入れる。あんまり濃くない色だけど印象がぐっと変わるからお気に入り。
  • ADDICTION ザアイシャドウ007SP Gold Rush
    上瞼の真ん中あたりに指でのせる。きらきら。

 

Eyebrow

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  • SUSIE スリムエキスパートR001
    いちばん書き足しやすくて結局これに戻る。
  • Celvoke インディケイトアイブロウパウダー07
    オレンジ系の髪色でもほどよく馴染む、と思う。
  • ADDICTION アイブロウマスカラカラーニュアンス003 Burnt Orange
    発色が抜群に良い。髪色が落ちてきたら違うものを使います。

 

この高畠百加さんがかわいくて、特に眉毛がかわいい!となぜか強烈に思ったので、平行に削りがちだった眉山を最近はごく僅かに高くしてみている。

眉毛を1ミリ書き足すだけのことでも、美しさに心が震えた、その気持ちをだいじに身に纏うような感覚があって、嬉しくなる。

 

Lip

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  • RIMMEL エグザジェレートリップライナーペンシル003
    オーバーリップにする時はいつもこれ。
  • SUQQU バイブラントリッチリップスティック01 焦麻
    アプリコットベージュ、これだけでも顔色が明るくなるけどだいたいベースとして使用。SUQQUの口紅、とても信頼しています。
  • SHISESIDO テクノサテンジェルリップスティック414 Upload
    発売当初から気になるコスメリストに入れていて、ようやく去年購入。黄みが強くて使い勝手の良い赤リップ。焦麻の上に、唇の内側からぽんぽんのせるとフレッシュで春めいた雰囲気になる。

 

今日もこのメイクで出かけてきます。

みなさま良い週末を!

アイスランド旅行記[8]氷河

いよいよ、ようやく、2020年元旦の話です。

 

旅程概要はこちら。

 

前日、年越し花火inレイキャビクの様子はこちら。

 

 

いざ15時間のバスの旅へ

氷河……本物を目にする日が来るとは想像してもいなかったのですが、アイスランドを訪れるなら絶対に見てみたかった。当初はレンタカードライブを模索してみたものの、氷河があるのは島の東側。レイキャビクHotel Vosは西側なので、ぐるりと島の外周を走っていくとGoogle Mapで片道4〜5時間と出ます。つまり往復するとなると1日がかり。地図で見るとこんな具合です。

確実に暗い時間帯にも走ることになるし、氷河に近付けば近付くほど道路状況も悪くなりやすいことを考えると、さすがに西側泊で素人ドライブは無理だ! という結論に至り、Guide to Icelandでバスツアーを探すことにしました。

Guide to Iceland、プランが充実していて見やすくて、観光情報もたくさん載っているのでアイスランド現地でのアクティビティを検討している方にはとってもおすすめ。

中には1泊2日でまわるプランもあって、全体の宿泊日程や移動手段との兼ね合いで悩み転げました(やりたいことをできるかぎりやり尽くすためにパズルをがんばった話はまた別の機会にするかもしれません)。レビューも読み込み、ちょっとハードだけどこれしかないと決めたプランがこちら。

Jökulsárlón(ヨークルスアゥルロゥン氷河湖)までの道すがらいくつか名所に寄ってくれる、7時集合22時解散の15時間コース(!)で、Reykjavik Excursionというツアー会社のプラン。予約ページは最後まで日本語、でも2019年末時点でツアー会社からのメールは英語でした。このサムネイル画像、素敵だな〜。春かな? 春にも行きたいな……。

 

出発時は宿泊しているホテル前のバス停でピックアップしてもらえるから安心。念のために前夜のうちにバス停の場所を確認したのでなお安心。

朝7時、眠い目をこすりながらバス停へ。少し待つとがらんとしたバスがやってくる。私たちの後にも何組かピックアップしてまわり、15分ほどでBSI Bus Terminalに到着しました。

BSIはレイキャビク発バスツアーの拠点で、空港から市内までのバスもここに着く。Google Mapだと同じ敷地内にいくつもバス停マークがあって飲食店もありそうなのだけど、早朝はごはんになりそうなものは見当たらず、飲み物とおやつの自販機だけ発見。

ベンチで待っていたらツアー用のバスが到着! そわそわと乗り込みます。

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さすがに長時間のバス移動に不安も覚えていたけれど、添乗のガイドさんの感じが良くて一気に安心しました。目の前で朗らかにわかりやすく繰り広げられる案内の数々、通訳案内士業務の記憶がよぎっていちいち拍手したくなる。しかしなにせ朝、それもまだ真っ暗な朝。周りのゲストは軒並みテンションが地を這っていて静まりかえっている中ではそれもはばかられ、ガイドさんを見つめてしっかりはっきり頷いたりなどしながら楽しむことに。

少し走ったところで運転手さんからも自己紹介、それがなんと「おはようございます、運転手のThorです」ときたものだからMarvelファンな我々のテンションは爆上がり。すごい、ほんとにいるんだThorさん! Lokiさんもいるのかな?

 

暗闇の滝、黒い砂浜

1時間半ほど走ってまずは9:00にカフェ休憩の予定が、元旦につきショップのオープン時間が遅くなっているとのことで予定変更。たしかに元旦だものね、そりゃそうだよね。そんなわけで最初に停まるのはVik手前のSkógafoss(スコゥガフォス)という滝になった。

9:45、Skógafossに到着。

まだ真っ暗なので足もとに気を付けながらバスを降り、そろりそろりと滝の近くへ。存分に水飛沫を浴びる。が、この暗さゆえに私の技量ではまともに写真が撮れませんでした。無念。

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写真の真ん中あたり、見えるかどうか怪しいくらいの粒々が人の頭です。真ん中と右の白い光が誰かのスマホ。滝のサイズ伝わるかしら。暗くとも、初手からアイスランドの自然のスケールを叩き込まれました。氷河への期待が否応なしに高まってしまう。

マイナスイオンを浴びたのち、代替のコーヒー休憩をするVik(ヴィーク)へと出発。左手にKatla(カトラ)火山を望む道のりです。

しばらく前にアイスランドで噴火があってヨーロッパの航空事情が大変なことになっていた記憶はあったのだけど、その時のEyjafjallajökull(エイヤフィヤトラヨークトル)火山が国道から見てSkógafossの奥側にある。噴火後は3年くらい太陽が見えなくて、volcanic winterと呼ばれていたのだそう。想像しただけで気が滅入ってくるな……。(と書いて下書きフォルダに眠らせているあいだに新たに噴火が。道路復旧工事の溶岩との近さすごいなと感服しつつ、どうかアイスランドの方々が安全に過ごせますように祈っています。)

で、その火山よりもさらに危険とされているのがKatla火山です、と力説するガイドさん。氷河で覆われているがゆえに、噴火すると大洪水も引き起こすので被害が甚大。いや怖い。美しさもすさまじいが自然災害もすさまじい。

写真ぼけぼけですがこれは私の朝ごはん。アイスランドはスキールじゃない普通のヨーグルトも美味で、私はむしろヨーグルトのほうが好みでした。

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Vikに着いたのは10:30頃。

スーパーのKrónan(クローナン)とカフェがある! お手洗いついでにスーパーをひと巡りして楽しみ、焼き立ての匂いにつられて何の変哲もないチョコチップクッキーを購入したら激甘だった。でね、Krónanの横にはもうこんな景色が広がっているのです。

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海! 美しい! 最高! 強風!!!

強風〜〜〜〜

不思議な形の岩は、トロールが朝日を浴びてかたまったものという言い伝えがあるらしい。いいですねぇ。Vikといえばの黒い砂浜は写真におさめそびれましたが、ここの地面に転がっている石も既に黒いのが伝わるでしょうか。

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柱状節理の近くにも行きたかったな。このツアーが急ぎ足だったからなのか、トイレに行かなければ(そんなの無理だけど)砂浜の端っこまで行けたのかは記憶が定かでない。また次回にとっておくことにします。この黒い砂浜で乗馬もしてみたいの。

それにしても風の印象が強かった、ぼおぼお吹かれすぎてずっと笑っていたような気がします。

 

知らないかたちの地球

さて、さらに東へ進みます。

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道中、窓の外はずっと知らない地形ばかり。これはフェイクボルケーノという地形だそう。フェイク、なので本物の火山ではなくて、湿地帯に溶岩が流れ込んでできたもの。小さいとんがりがたくさん。

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小雨が降ってきた。この天候の不安定さ(大晦日ほどではないが)、心底バスツアーを選んで良かったと安堵する。

1時間ほど走って「さあ降りて!」と促されると目の前にはまた不思議な景色。

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ぽこぽこ……苔がぽこぽこしている……。

Eldhraun、Mossy Lava Fieldと呼ばれている場所。溶岩よりもそれを覆う苔が気になる。この苔、グレーモスという名前なのだそうで、普段はグレーだけど雨が降ると葉っぱが開いて緑になるとのこと。いま雨だから緑なんだ! グレーだとまったく印象が変わりそう。

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ひさびさの登場、デップーさん。こうして見るとたしかにごつごつしていていかにも溶岩然とした岩だ。

ところで、記録するにあたってグレーモスを検索してみたら、まず日本語ではさっぱり出てこず(遊戯王のグレートモスばっかり出る)、英語でも私の知りたいことがさっぱり出てこないのであれこれ調べ直し、結局のところ正式名称がIceland moss (Cetraria islandica) の地位植物だとわかりました。広義の苔だがコケ植物ではない。わかりにくいことにこの名前でアイスランド固有種でもなく、イギリスやアイルランドにもあるそうな……。食用にできて、薬効もある。そういえばお土産に買ったハーブソルトも原材料にmossって書いてありました。おもしろすぎる、グレーモス。しかもこれ、ドライフラワーなんかと一緒にリース作りに使うモフモフな素材の一種なのだそうで、もしかしたら私ずっと前から触ったことあったのかもしれない、不思議な邂逅。

12:00、お昼ごはんに向けて出発。

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もはや影にしか見えないですが、画像左側にあるのが「平らな山でいちばん高い山」。今Google mapで探してみると、Lómagnúpurなのかな。標高764m。ほんとに山というより台、というか分厚いまな板みたいな形状、他のエリアをドライブしている時もこういう山を見かけました。これも日本には無い景色だよな〜。中にトロールが住んでるんですって。

この山を超えたあたりでVatnajökulsþjóðgarður(ヴァトナヨークトル国立公園)に突入。目的地Jökulsárlónの他にもいくつか氷河を含む、3000キロ平方メートルもの国立公園です。地図の白っぽいところよりふたまわりくらい大きい。

12:45、Veitingasala Restaurantにてお昼休憩です。サンドイッチなど軽食を持ってきていたのでここでは少なめに、トマトスープとポテトグラタンを注文。

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一見これ以上ないほど普通なのに、とびきりおいしい! ホテルの朝食のチーズもそうだったわけで、アイスランド恐るべし。地熱を活用しているトマト農園も気になりつつ予定に組み込めなかったので、思いがけずトマトスープをいただけてラッキーだった。

 

氷の世界

ごはんに大満足でバスに揺られること30分。み、見えてきた……!

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14:00、Jökulsárlónに到着。国道はいちばん海に近い湖畔に接しています。

氷だーーーーーー!

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夢みたいな景色。

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橋の先は海。ちょうどイギリスの方向です。青い氷塊、火山灰の黒い筋が入っていると鉱物みたい。

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この奥の、陸地みたいなものが氷河(氷舌)。ここから割れた氷が湖を揺蕩い、岸に打ち寄せられてる。

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波打ち際にはちいさな欠片が。きらきらと光を反射するのがうつくしくて、ダイヤモンドビーチと呼ばれているのも納得。

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曇り空でもこんなって、晴れてたらどんな景色になるんだろうな。

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雀っぽい、でも足に羽根がついてるように見えた鳥。

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おおきな氷塊、ガリガリくんソーダ味ぽさもある。

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この美しさを何時間でも眺めていたい。(とアイスランドで何回思ったことか)

ここでも風の勢いは容赦なくて、次の渡氷時は絶対に絶対に顔を覆えるものを買おうと思いました。バラクラバとか。

氷河湖をボートで遊覧できるツアーを楽しみにしていたんだけど開催は夏季のみだった。また来なくちゃ。日照時間が長い季節、同じツアーでも見えるものが違うだろうな。

 

長い旅の終わり

1時間滞在の後、帰路へ。トイレ休憩を挟んで18:00にVik着、レストランIce Caveで夜ごはんをいただきます。

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フードコートみたいなスタイル。

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わぁ高い。夫が選んだチキンカレーは甘めでした。私は持参した軽食でおなかが満たされていたので、ここでは見てるだけ。

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Vikを後にして、最後の寄り道。Seljalandsfoss(セリャラントスフォス)という滝を訪れます。

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またしても規模が伝わらない写真ですが、ジャングルクルーズの滝をものすごく大きくした感じ。足元が危険じゃない時期には滝の裏側を通ることもできるそう。

この距離でも水飛沫がかかるくらいの勢いだった。朝もそうだったけど、暗闇の中の滝、かえって良い体験だったかもしれない。

 

長い長いバスの旅を終えて、予定通りの22:00、レイキャビク市内に到着。道路にはうっすらと雪が積もっていました。

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降りたところの窓たちがかわいい。

勇気を出してガイドさんに素晴らしい案内だったと感謝を伝えたらとても嬉しそうに笑ってくれた。ちゃんと伝えてよかったな。

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Fosshotelに戻ってきた!

これ以上ないほど充実した1日でした。明日は午前中レイキャビク観光、午後は巨大な温泉ブルーラグーンに移動します。

素朴だけどやみつきになる、味わい深いパンたち

飾り気のないパンが好きです。

長いこと、ひとりで食べ比べては心の中でひっそりとお気に入りを更新してきたのですが(そして時折興味のない夫に語ってはやや鬱陶しがられてきたのですが)、誰かに話したい衝動に駆られてここに記します。

 

1. ジャン・フランソワの食パン

焼かなくてもおいしい。何気なくこの食パンを買ったのがきっかけで、ずっと見向きもしてこなかった食パンを愛するようになりました。それまでは惣菜パンと菓子パンこそがパン屋さんの存在意義だと思ってた。店舗が増えて買いやすくなったのが嬉しいけど、夜は食パン売り切れてることが多い。みんな好きなんだね。

 

2. nukumukuのもちもち食パン

nukumukuで最初にどはまりしたのは塩バターパンと明太塩バターパン。かなりバターたっぷり塩気もたっぷりの罪な味だけど、とんでもなくおいしい。いくつも食べるうちに、このお店そもそも生地がおいしすぎるのでは……と気になって、ベーシックなパンも買ってみたら食パンが素晴らしかった。なんとなく、フランスパンの雰囲気を感じる食パンなんです。他にない味わい。

 

3. 濱田屋の豆パン

人気商品と書いてあるものの、豆大福好きじゃないしな〜としばらく買わずにいた豆パン。ある時ふと気になってひとつだけ買ってみたら、豆大福は好きじゃない私でも絶妙に射抜かれるハーモニーでした。豆の量がちょうどいいんだろうなぁ…。パン生地も豆もやさしいおいしさ、ほっとする。

 

4. ジュウニブンベーカリーのくるみパン

ケーキも焼菓子も甘いパンもうっとりするラインアップのお店なのだけど、このくるみパンは一度食べてみてほしい。くるみが惜しみなく入っていて、生地はもっちりどっしり、表面はぱりっとして食感が楽しい。カルピスバターとの相性が抜群。できることなら家に常備したい。(最近食べた時は形が変わって輪っか型になってました)

 

5. パン・デ・フィロゾフのバゲット

これを食べてからしばらく私の中でバゲット旋風が巻き起こりました。小気味いいほどの皮のばりばりザクザク感に中の軽やかなもちもち感、バゲットってこんなにおいしいものなの?という衝撃を受けた。料理に添えるというより、このバゲットを食べるために献立を考えたくなる。また食べたいなぁ。

 

バターリッチなパンや甘いパン、サンドイッチなどはまた別の機会に。