ねむみめも

ねむみめも

It's ineffable.

アイスランド旅行記[6]地球の裂け目

今回の旅程はこちら。

 

前日(正しくは明け方)の様子はこちら。

 

待ちぼうけ

2019年12月30日。オーロラを見たあと寝たのが6時頃なはずだけど、9時には起きた模様。我ながら、やる気に満ち満ちている。

10時前でも外はこんなに暗い。

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宿の外観はこんな感じです。平家造り、きゅんとするかわいさ。

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この朝焼けでもう満足してしまいそうになる。

早速出発して観光スポットが集まるゴールデンサークルを巡ろうかと考えていたものの、オーナーから道路状況が悪いとの知らせが。そう、アイスランドのドライブ、こと冬に関しては、とにかく常に道路状況を確認していないと命取りになりかねないのです。

www.road.is | The Icelandic Road and Coastal Administration

このサイトの Road conditions and weather ページで通るエリアの状況を確認。車に乗る前に必ず目を通し、危なそうなルートは迂回。我々は海外走行も雪道走行も初心者なので、安全第一でドライブ中も助手席では常にこのページを開いておくようにしました。

オーナーの言葉通り近辺のルートは真っ赤っか。軒並み路面凍結中ということ。怖い怖い。

走れるようになるまでのんびり待つことにしました。この土地の空気を吸ってるだけで楽しいから気長にいきましょう。

 

エントランスで売られているアイスランドウールのハンドニッティングセーター、ロパペイサがあまりにもかわいい。

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羊柄!! こんなにもかわいい編み柄があっていいのか…お値段を見ると26,000円。ううむ。免税店にあったらそちらで買いたい値段だなと思いつつ、この場は見送る。

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エントランス横の談話室には、まだサンタさんの人形が。空港の展示で知ったのですが、アイスランドにはサンタさんが13人いるらしい。Hidden people、つまるところ妖精の13人が、それぞれ異なるいたずらを仕掛けてくるという…なんだか妖怪みたいな話が元になっていて、それがサンタクロースの話と混ざっていったと。12月12日からひとりずつやってきてプレゼントをくれて25日からひとりずつ去っていくから、1月6日がクリスマスシーズンの締めなのだそうです。

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この人はデザインから考えるにふつうのサンタかな?

 

そうそう、夫の部屋飲み用(保険)に持参したキンミヤのシャリキンパックを部屋の外で冷やしたりもしました。凍らなかったけどキンキンに冷えた。シャリキン目的ではなく小分けパックとして考えると携帯に便利ですね。

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シンクヴェトリル国立公園

道路が安全な状態になったのはお昼前。

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ずいぶん明るくなったけどまだまだ雲は厚い。

車の窓ガラスが凍りついていて途方に暮れ、お部屋のシャワーブースにあった掃除用ワイパーをお借りしてなんとかこすり落としました。

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行きのドライバーは私。運転、3年ぶりくらい。海外での運転は初めて。どきどきしながらGoogleMapに行き先を入力する。

1時間半の道のり、車が少ないからのんびり運転できるかと思いきや主要道路に入ると前後の車が猛スピードで走っていて、煽られまくってひいひい言うはめになりました。なんとか車間距離を保とうとすると時速100kmを超えてしまう勢いだし、道幅が広くなった瞬間にさらなるハイスピードで抜かされる。単なる速度以上に、まだ凍っている部分もある道をかっ飛ばすのが凄まじいのです。他のエリアでも、夜でも雪が降っていてもとにかく速いので、地元ドライバーは先が詰まってなければ120kmくらい出しているんじゃないかしら。なお郊外舗装道路の法定速度は90kmで、速度を守っても日本の高速道路並みです。

とはいえ、だいたいの道は前後に車の影もない状態で好きに走れるので快適だし、なにより窓の外に広がる景色が良い。

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平らな山なのか台地なのか、こういう見慣れない地形が至るところにあります。

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撮れなかったけどたまに馬も見かける。なぜか羊はまったく見かけなくて、ホテルに戻って訊いたら「脚が短くて雪が降ると埋まっちゃうから小屋にしまってある」とオーナーが教えてくれた。かわいいね…。

 

大自然の中をひた走り、無事目的地に到着しました。

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Þingvellir(シンクヴェトリル)国立公園!

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GoogleMapの表記はThingvellirですね。Hellaの発音がヘトラだし、lがふたつ重なると"tl"の発音、そしてたぶんt弱めになるんだな。最初は地名を見てもさっぱり覚えられなくて困ったけど、だんだん慣れてきました。

 

シンクヴェトリルでは、北アメリカプレートとユーラシアプレートの境目を地上で見ることができます。「大陸プレート」って地学の授業ぶりに書く単語だ。

日本はプレート同士がぶつかって地震が多発する場所だけど、アイスランドは逆にプレートが離れていく場所で、それゆえに「裂け目」=gjá(ギャウ)ができていて、今もすこしずつ裂け目は広がっているらしい。いつか島全体が裂けちゃわないのか心配。数万年後にはそんなこともありうるのかな。

 

有料駐車場に車を停めると目の前に展示室とお土産屋さんがあります。帰り際だと焦りそうなのでまずお土産屋さんを物色。

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この謎のアイスランド名物シリーズのタッチがツボにはまり、マトリョシカのほかにもいくつかグッズを買ってしまいました。それにしてもなんで一番右のヴァイキングはソフトクリーム持ってるんだろう。

ひとしきり買い込んでカフェで腹ごしらえをしたら、いよいよ展望台へ。

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ひ、ひろい。ファンタジー感がある。見渡す限り国立公園です。ちなみにまんなかに写ってるのが無料駐車場。

そしてほんとうに地面が裂けてる…!!

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手前側がいかにも裂け目らしい見た目ですが、より深い裂け目はこっち。

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ここも深い。

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下のエリアに向かおうとすると、この深い裂け目の中を歩くことになります。

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ここがプレートの境目なのかと思うと妙な気分。

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坂を下ると岩壁が高くなる。

さらに下って離れたところから見ると、規模が大きすぎて笑っちゃう。

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まるで誰かがきっちり石を積み上げたかのような地層。荘厳ですね…。

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この岩壁から、雪解け水が流れ出してる。

水が流れた先には凍った川と広大な湖。

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好きだなぁ。

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ずっとここにいたいくらい好きな景色だった。ああ、ここに戻りたい。

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そうそう、わかりづらいけれど、この旗が立っているところが10世紀の終わり頃に民主議会が発足したとされる場所なのだそう。Þing=集会・民会、vellir=平原、と地名の由来にもなっています。

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しかし10世紀って。あまりに早い時期でびっくりする。日本は平安時代ですね。

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続いて、国立公園内でどうしても見てみたかったスポットへ。

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ひたすら歩くこと30分くらい。この地図の拡大図のいちばん上、Silfra(シルフラ)です。

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ここもプレートの狭間。

氷河から流れ出た水が溜まっているから透明度が高いそうで、冬でもダイビングツアーがあるくらい。

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ダイビングするときはこの階段から。今回は恐怖心が勝って(そしてスケジュール的にも難しくて)やめたけど、いつか潜ってみたい。

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そして、気付けば3時間が過ぎていました。

 

ダウンとユニクロの防風パンツのおかげで冷えはつらくないものの、風が強くて顔が痛い。もう暗くなるし、どこに行くにも1〜2時間はかかるし、国立公園しか見てないけど夕飯どころに移動することに決定。

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これは売店にあった謎のハリボーアイス。ハリボー好きとして買わずにいられなかったがアイス自体は何の変哲もないバニラ風味で持ち手にゴールデンベアが詰まっているのを結構がんばって取り出して食べた。

 

駐車場の精算は展示施設の入り口にある精算機で。自分の車のナンバーを入力したらカードで払えるから楽ちん。駐車場内の有料トイレもカード精算可能で、本当にどこに行っても現金がいらないので快適です。

出発前に目当てのお店に電話してみたら(気軽に電話できるからレンタルルーターじゃなくてSIMカードにしてよかった!)ほどよい時間に予約できたのでのんびりドライブしながら向かいます。

 

アイスランドロブスターと低アルコール飲料の謎

途中、SelfossのBónusに寄り道。

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アイスランドといえばのスーパーマーケットです。Bónusの他にはKrónanもよく見かける。

外国のスーパーって楽しいですよね。

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買い物に夢中になりすぎてほぼ写真が残っていませんが、こんな感じで商品の表示は基本的にアイスランド語なので、Google画像翻訳に頼りまくってお菓子やら飲み物やらをBónusバッグとともに購入しました。海産物や乳製品の品揃えが豊富でバターを買いたい衝動に駆られるも、ここではまだ我慢。

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ちなみに、こういうスーパーでは普通のお酒は売ってません。街中で買いたいときはVinbúðinという酒屋さんへ。

 

さて、ディナーに選んだのはアイスランドロブスターを食べられるFjöruborðiðです。

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ドアがかわいい🦞

アイスランドロブスターは別名・手長海老。日本で慣れ親しんでる海老とも、THEロブスターとも見た目が違う。すごく言いづらいけど、くるんと丸まってる姿はなんかこう、幼い頃つついて丸めて面白がってたアレに似てるなぁと思わなくもない…。でも身がぎゅっと詰まってておいしいよ。

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ロブスター目当てだったので、わかりやすい3皿コースを選びました。

ロブスターのスープ、ロブスターとベビーポテト(ちっちゃくてまんまるでおいしい!)のレモンガーリックバターソテーwithきゅうりとディルのサラダ、そしてお好みのデザート。

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スープも見た目からはいまいち伝わらないけど濃厚でおいしかった。

で、問題がこの写真に写り込んでいるPilsner…この先ドライバーになる夫が飲み物を迷っていたらウェイターさんが「これなら飲んでも大丈夫!」と笑顔全開で勧めてくれて、さらにはソフトドリンクメニューとして記載されていたのでノンアルコールビールってことかと注文したのだけど、いちおう、微量ながら、アルコールが入っているのである。たしか2.5%ほど。表記に気付いて本当にぎょっとした。

日本のノンアルビールは0.05%未満なわけで、大慌てで調べてみるも、これを飲んで運転しても大丈夫なのかは判明せず。ただでさえ慣れない海外レンタカーなうえにやや凍り気味な夜道なので、念には念をということで私の頼んだオレンジジュース(Apelsinというもの。気に入って連日飲んだ)と交換したのだった。

今考えるとアイスランドうんぬんを抜きにして摂取アルコール量ごとの血中アルコール濃度の上がり方を調べればよかったのかもしれないな。いやでも3〜4%の酎ハイありますよね? 立派にお酒ですよね? ううむ謎だ…。

デザートは私がふたつとも選びます。キャロットケーキと、

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モンブラン

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どちらも好きな味だったからぺろりと平らげた。アイスランドのごはんはしんどさが全然なくて、たいていどれを食べてもおいしく満足できる、でもしっかり異国の味なので楽しいです。

ティーポットもかわいかった。

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しかし、3皿コースで1万円ほどなのでやはり日本よりちょっと物価が高い。このお店がことさら高いわけではなく、全体的に1.5倍くらいな体感です。水はタダだしバターも激安だけど、ごくふつうのサンドイッチが1500円する国。それでも、また行きたい気持ちは揺らがないけれど。

 

真っ暗な田舎道をドライブして無事ホテルに帰り着き、Bónusで仕入れたジンジャービアやスキールを夜食にしました。

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キールアイスランド旅行の記事に必ず出てくる食べ物なので興味津々だったのですが、ほぼギリシャヨーグルトです。脂質少なくて体によさそう。今や日本でも買えるのが嬉しいですね。気軽にアイスランドを感じられる。
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この日もオーロラハントする気満々だったけど、夜も天候が悪く翌日まで雪予報。無理せずしっかり寝ることにしました。

振り返ってみると、おっきい公園で遊んで海老を食べまくっただけの1日。でも、アイスランドの空気をたっぷり味わえて大満足でした。

明日、大晦日は首都レイキャビクに移動します。(記事更新いつになるかなと思いつつ…早めに書けたらいいな。のろのろ更新ですが、読んでくださる方ありがとうございます)

アイスランド旅行記[5]オーロラハント

今回の旅程はこちら。

 

アイスランドに到着するまでの様子はこちら。

 

アイスランド時間午前3時。ふと目が醒めて、意図せず寝入ってしまっていたことに気付き、咄嗟にオーロラ予報アプリとアイスランド気象庁のサイトを開く。

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すると、滞在しているアイスランド南西部にはオーロラの可能性がありそうな表示。雪が止んで雲も晴れたようなので、大急ぎで夫を揺り起こし、カメラに三脚、そして防寒装備を整えました。

起きてからものの数分で雪原へ。何か足りなければすぐに部屋に戻れるし、やっぱりドア開けてすぐ外って便利です。

我々の防寒装備は、

・ウールの帽子

・高機能なダウンジャケット

・ウールセーター

ユニクロの防風エクストラウォームパンツ

・インナー上下にヒートテック

・ウール靴下

・スノーブーツ

・肩甲骨の間と爪先にホカロン

・手袋

といったところ。

寒すぎてホカロンがあたたまってくれないという評判でしたが、ふつうにぽかぽかで問題なし。

手袋は夫が自転車用のモンベル、私がユニクロの防風ヒートテック手袋を装備したところ、ユニクロのほうは指先がすぐかじかんで全然頼りにならず。すぐ見切りをつけてウールの手袋にしました。たぶん、ウール手袋に防風撥水のオーバーミトンをするのがベストなんじゃなかろうか。スマホやカメラの操作を考えると、ウール手袋が指出し&ミトンかぶせタイプだとさらに良さそう。なお、ユニクロの名誉のために書き添えておくと、手袋はだめだけど防風パンツは圧倒的な強さでした。お手頃な値段であの防寒レベルはすごい。

しかし、ぬくぬくに着込んで外に出てみたところで、夜空を見渡してもオーロラらしきものは無し。夫がカメラをセットしている間に予報サイトを再確認、やはり可能性大なのでむむむと思いながらふと遠くの街のぼんやりとした灯りを見やって、気付いた。

あれ? あそこ街じゃなくない?

いかにも光害っぽい灯りの広がり方なんだけど、私たちが通ってきた街の方角ではないし、地図を見る限り光害が出るほど栄えてるようにも見えない。

ぜんっっぜん、まったく、オーロラっぽさはないけれども、妙なので夫に伝えてカメラをそちらに向け、露光してみてもらう。

と。

写った…!!!!!

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オーロラだ…!

肉眼ではほんとうに光害と間違えるくらいにぼんやり白いもやのような状態なので、「オーロラのカーテン」をイメージしていた身としてはすこし拍子抜け。でも、カメラの画面に写るだけでも嬉しくて、しばらく撮り続ける(夫が)。

後日、「昼間に店の掃除してたら唐突にオーロラ送られてきたから興奮して他のスタッフにも見せちゃった」と言っていて嬉しくなった。

 

その後、時間が経っても肉眼で緑色に見える瞬間はなかったものの、カーテンのように天から降りていることがわかる姿を写真に収められました。

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うつくしい。カメラ越しとはいえ、現地で見られて、この空間にいられてよかった。

というかね、オーロラのバックに写り込んでいる星々の数よ。オーロラ無しでもじゅうぶん楽しめる星空。徐々にオーロラの光が弱まってきたところでカメラ番を交代、私は星を撮ってみることに。

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フィルター無しでこの写りなんですよ…! 元天文部の血が騒ぐ。

青い線で繋いだのがオリオン座。縦並びの三つ星もくっきり見える。左肩の黄色みがかっている星がベテルギウス、右肩がベラトリックスです。

赤い方は牡牛座。

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続いてアンドロメダ座とさんかく座。

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線で繋ぐと、たぶんこうなる。青い方がアンドロメダで、右下に頭があります。

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星が多すぎてわかりづらいけれど、こちらはカシオペヤ座。

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ちんまり。

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左下方向にアンドロメダ座、右上方向には北極星があるエリアです。

現地で星座を確認するには、星図アプリがおすすめ。私はこれを愛用しています。

スカイ・ガイド

スカイ・ガイド

  • Fifth Star Labs LLC
  • 辞書/辞典/その他
  • 無料

通常モードだと目が画面の光に慣れてしまって星が見辛くなるのですが、ユーザー設定>ナイトビジョンをオンにすると赤色表示になって観測を邪魔しません。

 

かなり寒かったはずなのに、画像の時刻を見るに2時間は外にいたみたいです。楽しかったんだな…。

今回は宿のすぐ外で観るし他の国にも寄るしで観測グッズは持参していなかったけれど、小さな椅子があるともっと快適だと思う。防水シートと寝袋があってもいいかもしれない。

 

到着してから難関続きだったにも関わらず、あっという間にアイスランドが大好きになってしまった。予感はしていたのだけど、わけもなく心がぴったりしっくりくる空気。残りの滞在、何をしてもしなくても良い思い出になりそうだなとふわふわ思いながら再びの眠りにつきました。

 

アイスランド2日目は地球の裂け目を覗きに行きます。

アイスランド旅行記[4]火と氷の国の洗礼

ようやくアイスランド上陸の日です。

北北西に曇と往け 1巻 (HARTA COMIX)

北北西に曇と往け 1巻 (HARTA COMIX)

 

『北北西に曇と往け』読むとてきめんに渡氷したくなります。読んだことない方はぜひ。

 

そして今回の旅程はこちら。

 

前日の様子はこちら。

 

12/29(日)

この日の朝ごはんはお味噌汁と、ミニカップ沖縄そば。おいしいけど水分が多い。アルファ米、五目御飯とかも持って行けばよかったな。

 

さよならロンドン

荷物が既にぱんぱんでこの先が不安になりつつも、9時、ポストに鍵を放り込んで外に出るとタクシーらしからぬごく普通の外観の車が。名称は違ったけど、つまりオーナーはUBER的なサービスで予約をしてくださっていたようです。

Paddington駅への道中、私たちが日本語で会話していたら日本人だということだけはわかったらしく、運転手さんが最後に「さよなら」と挨拶してくれて、こちらも元気よく「さよなら!」と手を振って別れた。異国の地で、しかもまったく期待していなかったタイミングで母国語を耳にするって、嬉しいものですね。


Paddington駅の地下に降りると、床にヒースローエクスプレスの案内を発見。

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なぜか途中から案内が消えて戸惑いつつも、東京メトロに鍛えられているので無事ホームまで辿り着けました。

この電車に乗ります。

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お隣の電車がかっこよかった。Great Western Railwayの800形なのかな、スコットランドウェールズ方面に行けるみたいです。乗ってみたい。

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時間に余裕があるのでWHSmithに入ってみると、子供向けの本に混じって束厚3mmくらいのMARVELのコミックが! 日本だと1〜2cmの厚さにまとまったものを買うけど、本場ではほんとうに薄い雑誌の状態なんだな…と感動。何冊か見繕って、ついでに他の本も大人向けリコメンド棚から1冊、児童書ベストセラーから1冊買ってみました。

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大人向けリコメンド棚にはやたらと日本の作品が並んでいて驚きました。駅の書店って面積が狭いから、ただでさえ商品の場所を確保するハードルがとても高いはずなんですよ。店員さんか本部のバイヤーさんが日本びいきなのかな。

 

9時40分発のヒースローエクスプレスに乗車。

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しかし、待てど暮らせど発車しません。

前の車両に駅員さんが入ってきてなにごとか説明したら乗客が隣の列車に移動しだしたので、我々の車両も慌てて移動。どうやら車両不具合による振替のよう。このトラブルでパディントン発は15分遅延。ああ、ぎりぎりのスケジュールを組まなくてよかった…!

 

いざアイスランド

\ヒースローについたぞ/

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夫、推しのぬいぐるみの旅写真を撮る文化に憧れていたらしいのです。フィギュアでもいいのでは、と提案したら意気揚々とデップーちゃんミニフィギュアを荷物に詰めていたのであった。これからちょいちょい登場します。

 

おなかがすいたのでチェックイン前にCOSTAのミルクティーを買って、ペギー・ポーションレッドベルベットケーキをもぐもぐ。お行儀悪いけど席がなくて立ったまま。

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初めてのゲートからアイスランド行きのボーディングエリアへ。なんだかぴかぴかです。

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そういえば、オンラインチェックイン済ではあるもののアイスランドエアーの自動チェックイン機に「バゲージタグをここで印刷せよ」と書いてあったので操作してみたところ紙チケットしか出てこず、結局カウンターで普通にタグを出してもらえました。あの表示はいったいなんだったんだろう…。

カウンターに並んでいる間に日本人の子連れ客を2組見かけて、幼いころに渡氷できるなんてうらやましー!!と謎の嫉妬を抱きました。あと、乗客数に比して日本人率がわりと高い気がする。

 

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搭乗を待ちながらデップーちゃんを撮る夫。

寛ぐデップーちゃん。

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乗る飛行機はこれ。さすがに小振りだ。

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12時15分にヒースローを出発して、3時間ちょっとの空の旅。イギリスからも離れ難いのだけれど。また必ず来ます。

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小型機だからちょっと窮屈だったけど、ようやくアイスランドの地を踏めるのが楽しみでそわそわしていたらあっという間にKeflavik空港に到着しました…!

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Exit to Iceland!!!

 

イギリスとアイスランドは時差がないので到着したのは15時半頃でしたが、外に出てみるともう夕焼け空。

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よく見るとちいさーーく三日月がいます。

ちなみに出口の目の前にさっそく喫煙所があって、喫煙者に厳しいと思っていたので拍子抜け。

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ロンドンもそうだったけど、アイスランドレイキャビクの街中も道のいたるところに灰皿があって東京より断然喫煙者が生きやすそうでした。私は煙草大嫌いですが夫は「天国だ~」と大喜びしてた。

 

ホテルまでの難関たち

さて、空港から初日のホテルまではレンタカーなのですが、まずはシャトルバスでレンタカーオフィスに向かわねばなりません。

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このシャトルバスがなんと全レンタカーオフィス共通なものだからすさまじい大行列っぷり。かなり待つので空港を出る時点から防寒はしっかり、そして到着からレンタル開始までの時間に余裕を持つことをおすすめします。

あと何よりも、どの停留所で降りるのかをよーーく確認しておくこと。

我々の場合、20分くらい待ってようやくバスに乗り、該当の停留所で降りたと思ったのにレンタカーオフィスが見つからなくて猛吹雪(そう、この短時間で一気に吹雪いたのです)の中をRPGばりに質問を繰り返しながら彷徨うはめになりました。

なにせ、バスを降りるとみんなおんなじスタイルの、コンテナハウスみたいなオフィスが数十メートルおきに並んでるのです。目当てのオフィスを見つけるには吹雪のなか看板を目視で探すしかないのだけど、なぜか予約したCars Icelandは看板が見当たらず。しかも手近なオフィスに入って訊いてみても「わかんない、この辺じゃないと思う」と言われる始末。シャトルバスの看板にはあったのに!? なんでよ…!!!

重たい荷物を引きながらの雪中行、この旅行で三本の指に入るくらいにつらかったです。

結局、数件めぐってBlue Car RentalのオフィスにCars Icelandも一緒に入っていることがわかり、這う這うの体でカウンターへ。担当者の英語がものすごく速いうえに抑揚がなく、ついでに普段聞かない保険用語オンパレードで目が回りそうになりながら、17時半に車に乗り込みました。

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本当は『北北西』に倣ってジムニーがよかったけどオートマがなくて(私はオートマしか免許持ってない)、せめて日本の車のほうがいざというときに機能を調べやすいかなと日産車を選びました。(次はジムニーに乗りたいな…ずっと前に予約すればオートマもあるのだろうか、それとも私がマニュアル免許を取得すべきなのだろうか、悶々)

 

ホテルまではGoogle Mapで2時間の道のり。しかし吹雪いてるし、初めての海外ドライブだし、さらに言えば18時半チェックイン前提で19時にホテルディナーを予約してしまっているのだ…余裕みてたつもりだったんだけどな…。

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走り出した頃には空はすっかり群青に。

ともかく運転自体は夫に頑張ってもらい、私はGoogle Mapの到着予想時刻とにらめっこしつつホテルに電話。かなり遅れていることを伝えると、チェックインは問題ないけれど、ディナーを食べるには20時までに到着しないといけないとの返答。

「今どこですか?」と訊かれて、地図に表示されたhafnarfjörðurを「ハフ、ナル、フィヨルズゥル…?」と何度かイントネーションを変えて読み上げたら「ああ、ハ↑↑↑フナルフィヨルズル(フ以降は一気)ね! それならぎりぎり間に合いそう、準備しておくからがんばって~」と励まされ、ほっとしつつアイスランド語の難しさにいきなり直面したのでした。このhafnarfjörðurは、妖精の住む街と言われているんですよ。次の渡氷では散策してみたいな。


で、いったんほっとしたものの、現地の人の「ぎりぎり間に合う」、我々にとってはかなりのぎりぎりっぷりであることが予想され、到着時刻に関してはいまだ気を抜けない状況。BGMに夫の好きなシガーロスをかけつつも、ただでさえ緊張する雪道、初めてのラウンドアバウト(ぐるぐるまわるタイプの交差点)を戸惑いながら乗り越え、車の少ない時間帯でよかったねと話すうちにどんどん街灯も少ないエリアに突入し、道から落っこちちゃわないか心配になってきたころにようやくホテルに到着しました。夫、ほんとうにお疲れさま。

時刻はかろうじて20時前。なんとかディナーにありつける、よかった…!

 

至福のアイスランドディナー

オーロラを見やすいところがいいなと思って選んだ1・2泊目の宿は、Hotel Vosという家族経営のちいさなホテル。

レンタカーじゃないとアクセスが難しいけど、ここのいいところは部屋のドアを開けたら即、外!なところ。オーロラが出たらすぐ外に出られるのです。初めての海外レンタカーでいきなり雪道を走ることに抵抗があったのですが、どうしてもここに泊まってみたくて、散々下調べして車を借りることにしたのでした。もうね、本当に勇気出してここを選んでよかった!!!

 

お部屋はこんな感じ。

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極寒の外から扉1枚隔てたところがもうベッドなのだけど、しっかり遮熱されていてとても暖かいし、スーツケースふたつ広げてもじゅうぶん広いし、バスタブはないけど水回りも綺麗だし、WiFiの通信速度は自宅より爆速だしで想像以上の快適さでした。今回は入らなかったけど外には露天風呂があります。


ディナーはエントランス前のホールで。

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一皿目の人参と生姜のスープがしみわたる…。いまだに「あのスープおいしかったよね」と思い返す日があるほど。

そして写真が適当すぎますがバターとパンがべらぼうにおいしい!!!

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バターとパン、どっちがおいしいのかよくわからないけど、バターはお高いフレンチとかで出てくるものに似てる、というかそれを超えたうまさで混乱。アイスランドは乳製品がおいしいという事前情報はありましたが、あまりに想像以上で慄きました。なんとしてでもバターを買って帰ることを決意。

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ラムも柔らかくておいしい…野菜もうまい…じゃがいもはちっちゃくてかわいい…。もう、この時点でアイスランドに来た目的が半分くらい達成されてしまった。アイスランドのラムって本当においしいんだなぁ。

オーナー夫妻にラムが渡氷の目的のひとつだと話したらちょっと驚かれてこちらも驚いたのだけど、もしやあんまり知名度ないのだろうか。いやそんなことある?

ディナータイムに間に合った幸せをラムとともに噛み締め、大満足で部屋に帰還。荷物を整理するうちに、いつのまにやら眠りについていたのでした…すやすや…。

 

続きはこちら。

在宅勤務のための作り置きランチレシピ

在宅勤務が始まってまもなく1年。

自宅で過ごせる時間が増えたのは嬉しいけれど、自炊頻度が上がったのはしんどくもあり、でもどうせカロリーを摂取するなら好きなものを食べたい、でもでも準備に時間をとられると調理して洗って仕事して調理して洗って仕事して調理して洗っての繰り返し(ただし洗い物は溜めがち)で嫌になってしまう…たまにはお弁当を買ったりウーバーイーツしたりもするけど外のごはんばかりだとやっぱり胃に重たいし…

という葛藤を経て、何も考えずとも好みのランチにありつける体制を整えることにしました。

 

メニューに求める条件は以下の通り。

・手軽に用意できる

・食べる時にわくわくする

・しっかり栄養を摂れる

 

で、以下の5種類のレシピのうち、火を通す部分を気が乗っているタイミングで調理して、小分け冷凍しています。ラップに平たく包んでからまとめてジップロックに入れる。汁気が多くて心配ならラップは二重にしても。

解凍するときは汁気が漏れることもあるので必ずお皿の上で。私は無精ゆえ、食べるお皿にのせて解凍し、それを端っこぎりぎりに寄せてからお米をよそい、その上にどりゃっとラップから中身を出します。

なお、1回でだいたいレシピの2〜3倍量を調理。混ぜ込む野菜は記載量よりも割合を多めに。かさ増しにもなるし、野菜を摂りやすくて便利です。水分が増えすぎると味が薄まるので、調味料もすこし増やしつつ。

 

1. タコライス

牛豚合挽き肉でももちろんおいしいけど、いくぶん脂がリッチな仕上がりなので最近は鶏ひき肉に替えることもあります。わりと別物になるけどちゃんと旨い。

ごはんは基本玄米、冷凍を切らしていたらオートミール30gに水50〜60mlで600w1分チンの米化を使います。米化オーツの風味は苦手だけど味のついたお肉となら気にせず食べられる。

マヨなしでもいいし、スクランブルエッグのせてもいいし、アレンジし放題で大好き。自分好みに調整しすぎて、もはや外でタコライス食べてもなかなか満足できなくなりました。

このレシピはサルサソースがないので辛いの好きな人は物足りないかも。

 

2. ガパオライス

豆板醤とナンプラーがあればあとはごく普通の調味料でできる。オイスターソースがなかったらウスターソースでもいける。最難関はバジルの葉っぱかも。今の家は最寄りスーパーにバジルがあるので助かっています。山本ゆりさんのレシピだと大葉にアレンジされてたな。使ったことないけどKALDIのガパオの素みたいなのも良さそうですよね。

これも玄米かオーツで、ベビーリーフとかきゅうりとかさっぱりする緑色の野菜を添えつつ、オリーブオイルを小さじ1くらい垂らしたフライパンに卵を割り入れて蓋して揚げ焼きにしたのをのっけたら完成。アボカドやプチトマトを添えることもある。

 

3. 魯肉飯

いろんなレシピを試した中で、いちばん手軽かつおいしかったアレンジ魯肉飯がこちら。

豚こまでできるのは気軽ですよねぇ。調味料は五香粉があれば良し。

しっかり塊肉で作る本格的な魯肉飯はコクもあっておいしいんですが、なにぶん塊肉が高い!!し、これよりちょいと手間がかかる。あと絶対にお肉を切らねばならなくなる。ので、サクッと作って満足度を保つ目的としてはこちらのレシピがお気に入り。こまぎれ肉を切れと書いてありますが切らずともおいしいです。

ただし、片栗粉は抜きで。冷凍解凍を経ると結局さらさらに戻っちゃうので…茄子がとろんとするし、私は汁気もわりと飛ばしちゃうのでしゃばしゃばすぎていやだなーと思ったことはありません。

これに高菜かほうれん草(冷凍をチン)、マグカップに半分くらい水を入れて卵を割り入れて600w1〜2分で作った温玉を添えます。ほんとはほうれん草より青梗菜がいいし、一緒に煮込んだ煮卵を添えるものだけど、そこは妥協。塊肉に向き合う気持ちになれる日はそっちで作る。

 

4. 三色丼

白ごはん.comは外しませんよね。

三色丼の時はオーツは使わず玄米一択。それからそぼろにはすりおろし生姜を足しがち。しいたけとか、きのこを刻んで混ぜ込むのも好き。絹さやの部分はほうれん草でも小葱でも、冷蔵庫にあるものを。炒り卵も冷凍できるので緑パートさえあればなんとかなります。

できればお味噌汁もあると満足感が増すしほっとする。

 

5. ビビンパ

こちらも合挽きレシピだけど鶏ひき肉に替えて作ってます。コチュジャンとキムチが必要。

ナムルはナムルだけでもじゅうぶんおいしいので、もりっもりに作っても平気だと思う。ナムルも冷凍できます。

トッピングは温玉と、あれば韓国海苔をちぎってまぶす。

辛いの苦手だったらコチュジャンを味噌にしてもいいのかもと思う、キムチも抜いたらもはや違うメニューになりそうではあるけども…。

 

なにか他に食べたいものが思い浮かぶ日とか、無性に料理したい日とか(ほぼ無い)、使いたい食材がある日はまた別ですが、料理って調理前のレシピ選定や段取り把握パートもわりと重いわけで、そこをすっ飛ばせる保険があるというのが安心感につながるな〜と感じています。

そういえば、お手軽ランチとしてよく挙げられるパスタはなぜか苦手なんですよね…たぶんどうしても肉と野菜が少なめになるのと、茹で始めたら止まれないのと、大量のお湯を流すのが億劫なんだと思う。ビビンパのナムルも茹でるのは面倒だけどこの量はレンチンするとむらになるからねって己に言い聞かせて茹でている。

 

なお、引っ越してからは洗い物のほとんどを夫が担当してくれるようになったので格段に楽になりました。少しシンク位置が高くなったのか、腰が痛くならないらしい。ありがたや。

在宅勤務がいつまで続くのかわかりませんが、なるべく快適に健やかに過ごしてゆきたいですね。良いレシピあったら(お菓子も大歓迎)いつでも教えてください。

アイスランド旅行記[3]St. Jamesの奇蹟

2019年12月28日、ロンドン滞在2日目の記録です。この日はGood Omensのロケ地で奇蹟が起きました。

 

旅程はこちら。

 

前日の様子はこちら。 

 

この日の朝ごはんは、お湯を注ぐだけでごはんが炊けるアルファ米を使ってお茶漬けと、アマノフーズフリーズドライお味噌汁。水分多め。夫は今でもアルファ米のことを「なんか怪しい」と疑っていますが、文明すごい~!と思う便利商品です。次も絶対持参する。トラベル湯沸かし器も、いちおう部屋にポットがあったりもするけどやっぱり自前のほうが安心して使えるので持って行ってよかった。

ただ、お米でほっとしたのもつかの間、夫の腹痛によりしばし休憩。お昼から街に出かけることにします。

 

Camden Passageでかわいいもの探し

いざ部屋を出たらホテルの清掃係のひとが思い切り大声で電話しながら仕事をしていて、でもまあ別に不都合はなく、このラフさ加減いいなぁと思う。

最初の目的地はCamden Passageのかわいいお店たちと蚤の市。Angelの駅からほど近いところに位置します。ヴィンテージアイテムの出店やおしゃれな食料品店(魚屋さんまである)、レストラン、雑貨屋さんに衣料品店まで並んでいて、あれこれ見て回るだけでも満足感が。

特に素敵だったのがLoopという毛糸屋さん。

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店内は珍しげな可愛い毛糸だらけ。その分お値段もするので、ふだん編み物をしない私は散々悩みつつも買わなかったのだけど…夢のような空間でした。

じっくり見て回りすぎて夫がくたびれてきたので、ヴィンテージアイテムのstallで古いスタンプを3つ、雑貨屋さんでどつぼなパッケージの石鹸をゲットして次の目的地に向かいます。

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スタンプを売っていたおじちゃん、写真撮ってもいい?って聞いたら手を振って応えてくれた。


おいしいマーケットといえば

AngelからNorthern Lineに乗ってLondon Bridgeへ。

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エスカレーターが大江戸線以上になっっっがい。緊張する。

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Tubeかわいいなぁ。

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London Bridgeの駅の外にあったスプレーアート(落描きなのかな?)、スパイダーバースみたい。

駅から少し歩けば、旨いものだらけのBorough Marketです。

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Southwark大聖堂の側からマーケットに入ると、どのお店も大行列でちょっと覚悟を決める。そういえばこの大聖堂には桜が植わっていて、2011年3月に来た時はなんだか不思議な気持ちになった記憶があります。

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当時撮った写真。地震の日の早朝便でロンドンに飛んでいたので不安と混乱でぐちゃぐちゃになってたけど思い出深いな。

さて、腹ごしらえに選んだのはグリルチキンラップ。高架下のかどっこにあったお店で、まんまと匂いに釣られました。

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ボリューミーでおいしかった! 英国ごはんを懸念しまくっていた夫もおいしく頂けたようです。

続いて私のおやつを調達するべくBread Aheadの行列に並び、バニラカスタードドーナツとプラリネドーナツをゲット。

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どなたかがアジラフェルにここのドーナツを食べてほしいと呟かれているのを見かけて気になっていたのです。ふわふわ&クリーム、おいしいし確かにアジラフェルによく似合う。

もっといろいろ食べたかったのですが、あまりの混雑ぶりに参ってしまってマーケットを離脱しました。

 

天使と悪魔が密会するベンチ

この時点ですこし暗くなりつつあったので、Good Omensロケ地巡り候補のひとつだったBattersea Park訪問を断念。次に渡英したら絶対 "You DOOOO!!!" をやりに行くんだ……。

で、Jubilee LineでWestminsterに移動し、Battersea Park以上になんとしても行きたかったSt. James Parkへ!

駅を出たら工事中のビッグベン。逆にレアですね。

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ビッグベンから10分足らずで公園に到着。外務・英連邦省の庁舎とドーバーハウスの目の前です。観光名所なのか、そちらの建物群のあたりは人でごった返していたものの、公園はのんびりした風情でした。

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この奥にうっすら見えるのがドーバーハウスかな…?

とにかく想像以上に広くてびっくり。新宿御苑とか井の頭公園みたいだけど、更に開けた感じです。そして想像だにしなかった勢いでいろんな種類の鳥(ペリカンや白鳥まで!)とリスがたくさんいる。ちょっとした動物園みたいで楽しい。

ヨクバリスみたいな立ちっぷりのリス。

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白鳥の至近距離ファンサ。

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ぶれてるんだけど、不思議な水かきを持つ鳥、Coot。てっきり羽根がついてるのかと思ったら水かき自体の柄らしい。

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赤くて細いくちばしがかわいいMoorhenという水鳥。

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イギリス固有種のガチョウ。

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犬専用ゴミ箱がかっこいい。

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それにしても広いので、鳥たちに気を取られつつ例のベンチを探してしばしうろうろ。THREE様のSIMカードのおかげでロンドンでも余裕でアマプラを再生できるありがたさよ。動画と景色を照らし合わせてそれらしき方向に進んでいたら、夫がアジラフェルを発見しました。

夫が、アジラフェルを、発見。

どういう奇蹟だ。

Good Omens未視聴なれど私のコスプレを見て外見を把握していた夫が「ねえあの白っぽい人、天使の人じゃない?」と指さし、導かれて目を向けた先には、

 

アジラフェルがいる!!!

しかもクロウリーに、アダムもいる……!!!

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か、かわいいーーーー!

アダム好きなんです。そして3人で並んでいる画が最高に好き。

興奮によりこの旅行最大の積極性を発揮した私は隙を見て3人に写真撮影を依頼。レイヤーさんも撮影者さんも「もちろん!」と喜んでくれて、「ぎゃーーーかわいいーーー」と叫びながら撮影させてもらい、3人に挟まれるショットまで…ああ楽しかった。

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掲載許可もらいつつ私も東京コミコンでのGOコス集合写真を披露しちゃったりなんかして、インスタもフォローしあった。ロケ地でファン同士交流できるっていいですね…。というかロケ地でコスプレできるのうらやましすぎる。次に来るときはバウンドコーデしたい。次回やることリストがどんどん増えていく。

はたで見ていた夫曰く、「ぷるぷるしながら話しかける→写真撮る→ひとしきりわちゃわちゃするっていう交流のかたちは世界共通なんだな…」とのこと。写真を頼まれたレイヤーさんの反応も日本で見かけるのと完全に同じで面白かったそうです。

ついでに彼女たちに「そこのベンチってあのベンチだと思う?」と聞いたらYESと返ってきたので、私も座って撮影。

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ふふふ…天使と悪魔が密会したベンチに座ってしまった…。

アイスクリームスタンドも探したけれど、公園内のスタンドはみんな閉まってた。そりゃそうだよね、みんな寒くて震えてるもん。ただ、この日の夜にバスで通りかかったHyde Parkのウィンターワンダーランド周辺ではアイスクリームももりもり売られていて、子供たちが寒さに負けず頬張っていたのでした。さすがだ。

 

夢見るケーキとフィッシュアンドチップス

公園を出るころにはとっぷり日も暮れていました。

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Victoria方面に20分ほど歩くと、うっとりするほどかわいいPeggy Porschenのお店が!

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イートインの長蛇の列に並ぶには寒すぎたので、いくつか持ち帰ることに。

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英国展でも食べたグロリアスヴィクトリア(左下のピンクのケーキ)に、レッドベルベットカップケーキ、そしてヴィーガンキャロットケーキを買ってみました。カロリーのことはいったん忘れておく。

 

続いてMarble Archまでバスで移動してショッピング&ディナー。

TOPSHOPでは夫が虎のワッペンがついたかわいいスウェットを購入。すごーくお手頃だったのだけど、これが存外気に入ったらしく夫は旅行中も帰国後も着倒してました。よかったねぇ。

セルフリッジにも入ってみたもののずいぶんな混雑ぶりに疲弊して、行けたらいいなと思っていたジョンルイスほか生地屋さんへの訪問は断念…かなしいけど次の課題とします。Victoria & Albert Museumも断念したから、次回は縫い物とヴィンテージアイテム探しをメインにしてまわりたいな。でも呪いの子も観たいしハリポタスタジオも行きたい…村にも行きたい…どうかどうか元気に復活してください、英国のみなさま。

 

ディナーのお店に向かいがてら通ったのは、アジラフェルの書店がある(ことになっている)Wardour Street!

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いいなぁ、ちょっと店主に鬱陶しがられながらA. Z. fell & Co.に通い詰めたいなぁ。

 

フィッシュ&チップスを食べたくて、この通りから少し入ったところにある有名店Poppiesを覗いたら運よくほぼ並ばずに入れました。

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Codはふわふわ、Haddockはぎちっとした食感で、Codのほうが好み。そしてお隣さんが頼んでたオプションのグリーンピースのソースがおいしそうで、頼めばよかった!

テンプレ的に英国ごはんを不安視していた夫に感想を尋ねてみると、「おいしいけど、逃げ場がない」との回答。たしかに意識的に野菜を頼まないと本当にさっぱり要素が少ない外食生活かもしれない。

 

帰り道はまたAngelのWaitroseで買い出し…というかお菓子の買い足し。食べてみて気に入ったyoyobearとwalkers chipsを追加購入。

ホテルのバーには今日もジェス(わんこ)がいたけれど、もう眠たすぎて部屋に直行です。

そうそう、行きのピカデリーラインで懲りたので、翌日のヒースロー空港への移動はヒースローエクスプレスを使うことにしました。9:30〜16:00だけ使えるオフピークチケットが割安だったので予約、そしてオーナーに相談したら現地アプリでタクシーを予約してもらえてひと安心。9時の予約だからオーナーとはここでお別れ。とってもお世話になりました。

 

明日はいよいよアイスランドに渡ります…!

2020年に出会った映像作品ベスト5

楽しみにしていた映画が軒並み公開延期になってしまった2020年。映画館で観たのは10作だけ、家で観たのが映画とドラマあわせて40作。家時間がたっぷりあったわりに、途中からはそのゆとりに慣れてそんなに観なくなってしまっていてもったいないなと思っていたところ、年末になって急転直下で邦ドラにどはまりして楽しく過ごしているので良しとします。

順位付けはすごーーく難しいけど、振り返るきっかけとしてベスト5を考えてみました。なお、画像はすべて公式メインビジュアルをお借りしています。

 

5位:セックス・エデュケーション(ドラマ)

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第1話はなかなかパンチが強くて(性的な話題、という意味で)どうなるんだと思ったのですが、タイトルのとおり真摯に性に向き合った作品で、たくさんいる登場人物それぞれのドラマが細やかに描き出され、絡み合い、素晴らしく面白い。さらにすべてがおしゃれで映像として見るのが楽しい。エンタメ性とメッセージ性のバランスが完璧だなと思う。シーズン3が待ち遠しいです。

 

4位:リーマン・トリロジー(NTLive!)

厳密には舞台なのだけど、撮影されたものを映画館で観たので入れます。

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すべてが凄すぎて、呆然としながら観ていた記憶がある。リーマン・ショックの、あのリーマン・ブラザーズを巡る三代記を、3人の役者だけで演じきっていて、正直リーマン・ブラザーズへの興味はさほどなくてどうなのかな〜と思いつつもなんだか気になって観に行ったのですが、大大大正解でした。叶うならまた観たい。

演出のサム・メンデスさんは1917も手掛けられてるんですね。戦争ものを観られる心理状態の時に観てみようかな…!

 

3位:ストレンジャー・シングス(ドラマ)

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ひとたび再生しはじめると止まらないことがよくわかるツイート。この翌週末にシーズン2と3も完走しました。

デザインは明らかに好みではあるもののホラー作品が苦手なので敬遠していたのですが、たぶんセックス・エデュケーションが良かったのでNetflixの人気作への信頼度が一気に上昇して観てみようと思ったような気がする。観て良かった。

ある少年の失踪からはじまるSFホラー……なのですが、たしかに怖いシーンはしっかり怖い(まあまあ血もある)ものの、要となる概念がファンタジー畑な私にも馴染みやすかったし、どのキャラクターも魅力的で人間ドラマが良い。世界観、美術、衣装も好き。いま私がいるこの場所の「裏側」、どんなかな…と考えちゃいますね。

主演エル役のミリー・ボビー・ブラウンちゃんが抜群に素晴らしく、エルの成長から目が離せない。ついつい日常生活で首をコキッとしたくなります。

 

2位:MIU404(ドラマ)

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星野源&綾野剛主演のバディもの。11月の終わり、急にはまった。

私はフォロイーさんのコスプレで気になっていて、夫は仕事相手から推されて、引っ越しが落ち着いたら観ようと決めていたのでこのタイミングに。正直、なんで放送当時にはまらなかったんだと己を責めたくらいにはどはまりしています。

日本のドラマがたいてい苦手でしっかり見続けられたことがなく、こんな勢いでのめり込んだ作品は初めて。制作にあたって「これまでにない刑事ドラマ、バディものを作る」という意気込みだったそうで、それゆえにこれまでのドラマが苦手な私のようなタイプでも楽しく観られたんだろうなと思います。ありがたや。

なんかこう、愛なんですよね。Good Omensからこっち、愛という言葉を使うことにとても慣れてしまったのですが、つまり広い意味の愛です。love、あるいはagapeかもしれない。バディの愛、彼らを取り巻く人々の愛、そして制作チームの方々の愛がびしばし伝わってきて、最高に楽しくて笑って泣ける。

1月3日朝4時より一挙再放送です。洋画沼の人も馴染みやすいと思う、特にアンクルお好きな方は好きかもしれない。ソースは私。

 

1位:ジョジョ・ラビット(映画)

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昨年末にロンドンでちょくちょくポスターを見かけて気になっていて、1月どあたまに日本で観て衝撃を受けたまま1年間ずっと今年いちばん好きな映画の座を譲らなかった作品。

これね、検索するとジャンルが「戦争/コメディ」って出るんです。意味がわからないでしょ? ちゃんと戦争を真っ向から描いてるんです。その切り口が、あったかくてくすっと笑える毒っけもあるコメディ…感のあるヒューマンドラマなの。そして色彩があまりに美しい。

無駄なものをこそだいじに、というのはずっと心に抱いているものさしなのですが、それを改めてしみじみと感じた作品でした。

映画館で鑑賞しながら、今すぐ好きなところを端から叫んで回りたい衝動に駆られつつ物語にも夢中、という脳がフルスロットルな状態だったのを覚えています。私の場合、戦争を描いた作品を観るにはかなり覚悟が要るのですが、ジョジョ・ラビットはそこの心理的ハードルがやさしく下げられていて、なおかつ深いところまで描かれているのがほんとうにすごい。ぜひ気軽に観てみてほしいです。

 

 

以上!

ああ、でもやっぱりここに書けなかった作品もどれもよかったな。ナイヴズ・アウト、ナウシカ歌舞伎、パワーレンジャー、ロミジュリ(ロイヤルバレエ)、チャーリーズ・エンジェル2020、グランド・ブダペスト・ホテル、ディセンダント3、ストーリー・オブ・マイライフ、エノーラ・ホームズ、ダンケルク、私立探偵ストライク、エミリーパリへ行く……書き切れないけどいろんな作品からいろんな種類のパワーをもらった。

で、しかしながら、やっぱり私は映画を観るなら映画館で観るのが一等好きだなと実感した年でもありました。体験として好きなのはもちろん、映画館で観るのと家で観るのとでは伝わる魅力が大幅に違う作品は確実にあるし、スクリーンで上映する前提で作っているクオリティをしっかり味わい切れないのはあまりにもったいない。

もっと安心してみんなが出歩けるような日が来たら、どうか今年あいまいな状況下で封切られた映画たちにまた映画館で掛かるチャンスがありますように。映画館、そして映画に限らずエンタメ業界が持ち堪えられますように。撮影中あるいは中断している作品たちが無事に完成に辿り着きますように。

そういえば今年は供給が落ち着いていたけれど、2021年はまたMARVELにも大フィーバーしそうです。楽しみだな。来年もたくさん素敵な作品を観て、あと今年よりもアウトプットを増やしたい。今しばらくは安全第一で、主におうちでエンタメをもりもり楽しみお金を投じてゆく所存です。まずは年始にクイーンズ・ギャンビット観なくちゃな。

アイスランド旅行記[2]Temptation accomplished.

8か月ぶりに年末年始の旅行記を書きます…。アイスランド旅行記と銘打っていますが、まだイギリス初日。

 

旅程はこちらです。

 

海外旅行5年ぶり&10年ぶり夫婦がヒースロー空港に到着するまでの様子はこちら。

  

通勤ラッシュを乗り越えて

ヒースローでオイスターカードを購入してPiccadilly Lineに乗ること約1時間、ホテルの最寄り駅Caledonian Roadに到着。この間ずっと立ちっぱなし、東京メトロ東西線ばりのすし詰めの中で重いスーツケースが転がらないようにガードしないといけなかったのできつかった。ヒースロー着後すぐに移動すればここまで混んでいないのでしょうが、多少高くてもヒースローエクスプレスを使う価値を実感しまくった1時間でした。

でも着いた先のCaledonian Roadには、なんと地上までエレベーターがあってすいすい外に出られた…! 階段を覚悟していたのでこれはかなり嬉しかった。

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かわいい駅前の風景を目にして、ロンドン滞在に消極的だった夫がちょっとわくわくしはじめる。そうでしょうそうでしょう、かわいいデザインだらけなんだから〜とほくそ笑みながら歩き出しました。

駅からホテルまで15分くらいの道のりのはずだけど、スーツケースをがたがたひっぱりながらだとなかなか遠く感じた。途中おおきな刑務所の横を通過しつつも、ホテルに近付くと高級住宅街の香りが。

10時過ぎ、ようやくホテルに到着! The Cuckoo N1というちいさなホテルです。

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期待通りに外観がかわいい♡ ムービーしか撮ってなくてぼやっぼやのスクショですが…。

1階のバーはまだ暗いものの、正面ドア付近で一服している人がいたので声をかけてみると、ホテル&バーのオーナーでした。とっても朗らかでいい人!

で、ここが今回初となるまともに英語で会話しないといけない局面なわけです。夫は英語を話さないためコミュニケーションの一切合切が私にかかっている状態ゆえ不安が満ち満ちていましたが、オーナーが笑顔で迎えてくれたおかげでなんとか私も落ち着いて発話できて、心底ほっとしました。

なにせ5年前に母とロンドン&パリ旅行をした際は、話すのが怖すぎてほとんど英語を発さずに帰ってきたのです…進歩したね私…。夫が「めっちゃ普通に喋ってたぞ! なんか世間話してるっぽかった! すごい!」と無邪気に褒めてくれたので、そうか私の話し方でもちゃんと喋ってるかのように聞こえるのか、と前向きになりました。この心持ちでアイスランドでも楽しく交流できたから1軒目の宿がここでよかったな。そしてめちゃくちゃ褒めてくれた夫もありがとう。

まずは荷物だけ預けて出かけるつもりだったのだけど、前日まで数日間お休みしていたからチェックインできるよ、とのお言葉に甘えてお部屋に入ることに。エレベーターなしで3階のお部屋だからトランク運搬は大変…だけど私のトランクはオーナーが持ってくれました。ありがたや。

家具は推定IKEA多め。お風呂場も広いし、全体的に清潔感あっておしゃれで快適で、すっかり気に入りました。私が探していた時はどこの販売プラットフォームにも日本語ページがなくてちょっと迷ったんですが、予約してみてよかった。すごくおすすめできるホテルです。

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おいしそうなおやつ置いてあったよー!と見せびらかしている私。

1階バーの雰囲気も抜群で、天井までくまなくかわいい。宿泊者割引があるとのことで、夜はここのバーに来ようと決めて街に繰り出しました。

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ホテルの近所にいた英国猫。かわいい。


[ホテルの詳細はこちら(日本語ページできてました!)]

The Cuckoo N1 in London: Find Hotel Reviews, Rooms, and Prices on Hotels.com

ちいさなホテルでオーナーほか従業員の出勤が10時頃なので、荷物預けは10時以降です。ついでにバーの開店が12時なので、10〜12時に着いたら電話でスタッフを呼び出すシステム。事前にメールしておくと番号も教えてくれます。(2019年12月時点)

 

悪魔が咽び泣くパブでランチを

まずは近くのお店で腹ごしらえしようと思ったら改装中だったので、バス移動で私の好きなドラマ「グッド・オーメンズ」の作中に出てきたパブに向かうことに。

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(よかったら1話だけでもご覧になってみてください)

ところがバス停に着いてみると私のオイスターカードがない。きっとホテルまでの道でポケットさぐった時に落ちたんだと思う。ああ残金9.9ポンドよ。

カードがないとバスに乗れないので、しかたなく目的地まで歩くことにしました。GoogleMap曰く35分! わりと歩く。でもこれまでのロンドン滞在ではまったく歩いたことのない道ばかりで、英国犬もたくさん目撃できて、おなかがすいてること以外は非常に愉快な道のりだった。

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屋形船よろしく連なっていたボートたち、それぞれデザインが違ってていいな。

目的地直前、映画「キングスマン」冒頭でハリーがエグジーを待っていたHolborn警察署入口にて記念撮影。

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The King's Man楽しみですね。

そしてこの警察署から徒歩1分ほどのところにあるのがパブEnterprize!! クロウリーがアジラフェルを想って咽び泣く店です。

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外観もすてき!!

なお、Good Omensのロケ地についてはハルさん(@haru_halll)のこちらの御本をおおいに参考にさせていただきました。ありがたや。

 

お店の中はこんな感じ。ほんとにドラマで見た通りだ〜〜!

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天井から吊るされたクリスマスツリーがかわいい。

お客さんが少ないタイミングゆえか店員さんが全員着席してまかないランチを食べながらの対応で、びっくりしつつもこのくらいおおらかでもいいのかもしれんと思ったりしました。

さて、はらぺこだったのでしっかりごはん! 私はビーフパイ、夫はハンバーガーを注文。バーガーのつけあわせのポテトフライはいまいちだったけどパイはお肉がとろけておいしかった。

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誘惑のベンチと貪欲なリス

おなかが満たされたところで次なる目的地をTavistock Squareに定めて徒歩移動。途中、Russell Squareの駅で私のオイスターカードを改めて購入しておきました。もうなくさないぞ。

Tavistock Squareは、Good Omens最終話のラストシーンでアジラフェルとクロウリーが語らっていた公園があるところ。

このへん…このへんだけどふたりが座っていたベンチの配置とは違う!!!
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場所としてはここです。アマプラの映像を再生して確認しました(ルーターじゃなくてSIMカードにしておいてよかったと思った瞬間)。ここでクロウリーがアジラフェルをランチに誘い、"Temptation accomplished."したのです。ふふふ。

ただし冬なので木々はドラマよりもずいぶん寂しく、カラスの量はすさまじく、フンが落ちてこないかはらはらしました。

そして私が上の写真を撮影しているあいだ、夫は餌に貪欲なリスと邂逅していました(以下動画のスクショ)。

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餌をせっせと埋めてるところに人間が来たので更なる餌を求めて近付いたものの、何も得られず去っていった(いちおう去り際に振り返ってもう一度確認している)様子ですね…外来種とわかっていてももふもふでかわいいな。

このあと近くの大英博物館に立ち寄ってみるも、あまりの大混雑に参ってしまい、早々に退散。ミュージアムショップにかわいいティータオルあったんだけどな、次に来た時に買おう。

 

Charing Cross Road散策

薄暗くなってきたので(なにしろ日が短い)この日のロケ地巡りはここまでにして、ショッピングへ。

Wizarding Worldのグッズが揃うHouse of Spellsに行ってみたくて、Charing Cross Roadを南下しつつ他のお店もあれこれ覗いてみることにしました。

どんな土地でも書店を見かけると吸い寄せられてしまうのですが、まずはイギリスといえばのWaterstoneを発見。エコバッグを買いました。ペンギンブックスのヴァージニア・ウルフ書影デザイン! かわいい!

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これは翌日さっそくバッグを持ってご満悦な私。

さらにその先にはFoylesも。どちらのお店でも、並んでいる本の様子が日本とまるで違うので興味深い。判型がてんでバラバラに見えたけど、どうやって管理しているんだろうか。

歩き通し&暖房による乾燥がきつくて疲れてきたので、Foyles上階のカフェでしばしティータイム。道に面したカフェはどこも混んでたけど、ここはすこーし待てば座れたから穴場かも。ちょっと回復したら、またしてもエコバッグ、そしてCat in the Hatのグリーティングカードをゲットしました。無性に好きなんですよね、Cat in the Hat…。

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レジの店員さんが眼鏡にツインお団子でディセンダントのディジーちゃんみたいな女の子でね、ちょうど鼻をかんでるところに私が現れてしまって、慌ててティッシュをセーターの袖口に詰め込みながらにこやかに迎えてくれたのが面白すぎました。かわいい。つい「髪型かわいいですね」って話しかけたらはにかんでいて、またかわいかった。

 

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お次は「呪いの子」の劇場を横目に見ながらWizarding Worldシリーズのデザイナーさんのショップ House of MinaLimaに向かいます。この劇場、外観全体があまりにも世界観にマッチしていて近付くだけで観たくなってしまった。次に渡英する時は絶対に、たとえそれが夫との旅行だとしても絶対に、観る。

 

そしてミナリマ本家ショップも外観がパーフェクトにかわいい! ショーウィンドウ左側にアリスの本が飾ってあるように、Wizarding Worldのみならずミナリマのおふたりがデザインを手掛けたアイテムが所狭しと並べられています。

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1Fの床はハリーに届いた大量の手紙が散乱しているデザインで、上階にはアートワークの展示がたくさん。日本でのポップアップストアを経ていたから自制心を保てたけれど、ひとたび財布の紐が緩むとおそろしい量を買ってしまいそうな場所でした。最近移転してもっと広くなったみたいだからまた行きたいな。

ちなみにこのお店の斜向かいの劇場ではメリーポピンズがかかっていました。こちらも観たかった…!

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表通りに戻ったら、いよいよお目当てのHouse of Spellsへ。

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よーく見ると、ショーウィンドウの下の方にダイアゴン横丁の看板がある!

入口に剣が大量に刺さった銀色の椅子があって「こんなのWizarding Worldに出てくるっけ?」と不思議に思っていたら、WWの専門ではなくてファンタジー全般を取り扱うショップなんですね。あの椅子はゲームオブスローンズの王座だと、日本に帰ってきてから思い至りました。

ただ、品揃えは期待していたほどではなかった…! というか、おそらく東京がとても恵まれているのね。イベントで見たことあるグッズだらけでした。店舗限定品でも作ってガツガツ儲けてくれればいいのにな〜。

こちらで唯一購入したのがMACUSAロゴのラゲージタグ。

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シンプルかつロゴが映えるデザイン、ひと目見て気に入りました。早くこれ着けて旅に出たい。

 

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House of Spellsを出てすぐ、なんだかやばそうな気配をびびびと感じて入ってみたお菓子屋さん。私、こっくり味わい深い焼菓子も好きだけど、毒々しいくらいにカラフルなグミとか、シゲキックスよりすっぱいソフトキャンディとかも大好きなんです。

もうね、天国みたいなラインナップでした。しかも、選び抜いたお菓子たちをレジ台に置いたら、レジスタッフのお兄さんが「すっぱいの好きなの?」と話しかけてきて。全力で肯定したら背後の瓶から取り出したキャンディを渡され、不思議に思いながらも食べてみたらもーーーーーー口がもげるかと思うくらいにすっっっぱかった!!! かなりのすっぱ党ですが、人生で一番といえるレベルのすっぱさでした。いやーすごかった。店員さんは悶絶する我々を見て爆笑していました。

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袋詰め円盤お菓子と瓶詰め円盤お菓子と、もらったのとは別のすっぱいキャンディを購入(奥のくまさんはスーパーで買ったもの)。

 

コスメ欲も満たしたいので

せっかくショッピングエリアに来ているので、コスメも見るべくもう少し足を伸ばすことに。

まずはBoots(マツキヨ的な存在)の大きな店舗でFenty Beautyのハイライトをゲット。今回はアイスランドでたくさん買うつもりだからまだ荷物増やさないぞと思って自粛したけど、セールしてるし見たことないブランドもあるし、店内うろうろするの楽しかったな。

 

続いて、渡航前に気になりだしたCharlotte Tilburyの本店へ。ドキドキしながら扉を開けたらわりと狭い店内に店員さんがひしめいててさらに緊張…!

強い心で欲しいものを物色して、

・Hollywood Flawless Filter

・Airbrush Flawless Finish

・Hot Lips 2 JK Magic

を買いました。アイシャドウはものすごく迷った結果、決め手がないからやめておくことにした。でも色もパッケージもかわいかったなぁ…。

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パウダーケース、右上にひっそりと五芒星のマークが入ってるのがかわいすぎる。


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JK MagicはJ.K.Rにインスパイアされたカラーで、(彼女に対しては思うところあるものの)この月と星のデザインが素晴らしくかわいい。やや明るめのピンクベージュで使いやすそうです。MLBBな感じなので、今使っているベースカラー用の口紅がなくなったらこれをベースにするつもり。

本店を訪れたことで舞い上がっていましたが、よく考えたら同じもの買うなら百貨店のほうが免税対象になってお得ですね! 路面店にも免税店はあるものの、こちらはそうじゃないみたいでした。未来の私へ、次回は百貨店でコスメを買い漁ること。

 

愛すべきスーパーマーケットたち

そろそろ夕飯を食べたくなってきて、宿方面に戻るべくバス(ダブルデッカー!)でAngel(!!!)へ。

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Angel Station、あまりにも素敵な駅名だ。

5年ぶりのダブルデッカーは、もちろん2階に乗ります。隣の席のおじいちゃんがどうみても日本のみかんを、皮を剥きながらおいしそうに頬張っていた。ちなみにこの後、イギリスでもアイスランドでもちょくちょく地面に残されたみかんの皮を見かけました。人気なのかな。なんだか嬉しいな。

私は日本でも知らない土地をバスで移動するのが好きなのですが、やっぱりここでもバスは便利だなぁと実感。移動しながら観光できるし、前回来た時よりもGoogle Mapの検索精度があがっていてバス停にもほとんど迷わず辿り着けました。

 

Angelのバス停の目の前はショッピングセンター。安心のMUJIユニクロが入ってます。まあ日本よりだいぶ高いんだけど。夫が持ってきそびれたものをすこし買い足して(日本人の店員さんに「高いですよ、いいんですか?」と訊かれたけど、この時点の夫はまだ安心感を欲していたのである)、わくわくしながらショッピングセンター横のスーパーに移動。

ここ、なんとかなり大きめのWaitroseとSainsburyが隣接しているのです。よく片方つぶれないなぁと思ったけれど、両方に入ってみたら、

・Waitrose: 成城石井明治屋紀伊国屋みたいにハイクオリティなものも並んでいる

・Sainsbury: 地場スーパーのような品揃えかつ、IKEAコストコまでいかないけどホームセンターっぽい陳列

という印象の違いが。かぶってる商品もたくさんあるはずだけど、しっかりカラーがわかれてるからこの隣接が成り立ってるのねぇと納得しました。

この日買ったのはお菓子の写真にあったくまさんのぐるぐるフルーツシートYoyobearと、ベイクドビーンズ缶、レモンカード、それに紅茶と紅茶と紅茶。

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もっと買いあさりたい気持ちをぐっとこらえ、ふたたびバスに乗って帰途につきました。

 

思いがけないもふ充

荷物を置いてホテル1階のバーへ繰り出し、ぎこちなく注文をして席で待っていると、地元の人たちが集まるテーブルの中に…

い ぬ が!!!!!

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かわいい!!!!!(例によって動画の切り出し)

夫が大の犬好きなので私も影響されて犬好きになりまして道ですれ違うだけでほくほくしてしまうのです。お店の中にいるなんて。こんな幸福があっていいのですか。

じっと見つめていたら向こうから寄ってきてくれたので控えめに交流を開始。ほどなく飼い主さんが気付いて犬たちを紹介してくれたので、遠慮なくもふもふを堪能させていただきました。

手前の雑種の女の子がルーマニア出身のジェスちゃん。終始ピザを欲しそうにしてた。椅子の上にいるのがジャパニーズチンのシーリアちゃん。一点を見つめて微動だにしない姿がまたかわいらしかった。

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フードメニューがピザのみなのが玉に瑕ですが、インテリアはお洒落だしご近所さんたちの団欒もあたたかい雰囲気で、居心地の良いバーでした。午後はクリームティーも出してるらしい。

歩き通しで疲れ果てたものの、最後に犬たちと交流できて大満足な1日になりました。ありがとうジェスちゃん、シーリアちゃん、そして飼い主さん。

 

振り返ってみると、ロンドンといえばの観光名所を全スルーして、ひたすら歩いて眺めて食べて買って、という1日。でもとびきり好きなシーンのロケ地に行けたし、現地の空気を吸ってぶらぶら歩けるだけで楽しい。夫がロンドンに興味を持っていなかったことも、名所に行かずともなにも文句がないというメリットに転じていました。よかった。

ああ、ロンドンの空気を吸いたいな…。

 

予告: ロンドン2日目もほぼ公園とマーケットです。