ベイクドケーキが好きです。
生ケーキだって好きだけど、タルトタタン、キャロットケーキ、レモンドリズル、ヴィクトリアサンドイッチなんかが並ぶショーケースには目が釘付けになる。
こんがり焼き色のついたケーキには文字にできないときめきが詰まっているのです。
なぜこんなにも惹かれるのかうまく説明できないけれど、がんばって説明するとしたら、連綿と受け継がれてきた伝統のレシピを通して異国の文化の香りを味わえるような気がするところと、甘酸っぱさと香ばしさとコクの融合が、良い。
(甘党にもいろいろありますが、私はフルーツ系とプラリネ系が特に好きなタイプの甘党です)
でもかなしいかな、ベイクドケーキを取り揃えているお店はあんまり多くないんですよね。
話題になるタルト屋さんはだいたいフレッシュタルトだし。私は焼き込みタルトが食べたいんじゃい! といつもあいほんの画面にむかって呟いているよ…。
そんなわけで、タルトタタンの季節が巡ってきたことだし、同じような嗜好の方がいらしたら是非おすすめしたいなと思って、ここ1年ほどで食べておいしかったタルトタタンをずらずら書き連ねてみます。
まずはオーソドックスなタイプから。
1. TWGティールーム(吉祥寺)
ずっと行ってみたかったTWG! 紅茶のお仕事をしている友人まみたすさんとともに訪問。
ここはとにかく紅茶の種類が凄まじく多く、メニューは細かい字で3段組両面印刷されていて迫力すら感じた。ロマンですね。
タルトタタンは林檎のシャキシャキ感がしっかり残されていて、土台は折り込みパイ生地(THEパイって感じの、薄い層が重なってるやつ。フィユタージュと呼ぶ)。インパクトはないけど清楚なおいしさでどんな紅茶にも合いそう。
2. ラ・パレット(下北沢)
旅人まやねーさんと、夜だけ開くカフェNeue(ノイエ)に行く前に寄ったお店。イートインもできるよ。タタン以外にもベイクドケーキが豊富でした。
林檎の煮詰め具合が程良くて好き。フィリングとしっとりめのフィユタージュの間にうすーいスポンジ生地がはさまっていて、食感が楽しいです。
ほんとは持ち帰りでも生クリームを載せてくださるそうなのだけど、買ってからパフェ食べて更にバーに行くつもりだったので生クリームなしにしていただきました。載せたらもっとおいしいだろな〜。
3. ノワ・ドゥ・ブール(日本橋)
見た目がどツボ。好きすぎてこの記事のサムネイルにしました。
かわいいでしょ?!!!
毎年1〜3月に販売していて、今年は1/11から。お店は新宿伊勢丹と日本橋三越にあります。
百貨店内ってほとんど生ケーキメインのお店だけどノワ・ドゥ・ブールはフィナンシェが名物なくらい焼菓子メインなのです。好き。結婚式の引き菓子もここのサブレにしました。
タタンは酸味がやや強くて、軽やかです。土台のフィユタージュはさくさくで薄め。上に載ってる生クリームの形もかわいいよねぇ…。
4. ラ・ヴァチュール(京都)
雑誌で見かけて猛烈に食べたかったけれど、去年初夏に上洛した際は食べに行けなかったお店。本店は平安神宮の横にあります。
桜花ちゃんとまやねーさん、旅人ふたりの京都旅レポで、なんとこのラ・ヴァチュールのケーキが京都駅ビル伊勢丹内のフィゲラスというスペイン料理店で買えることを知り、日帰り出張が決まった夫にお願いして買ってきてもらいました。ありがとう夫くん、会いたかったよタタン様〜〜!
ほろ苦く煮詰められたフィリングがたまらんです。土台はややしっとりしたフィユタージュ。
イートインだとヨーグルトソースをかけてもらえるそうで、また印象が変わりそう。ぜひお店でも食べてみたいな。
5. ル・コワンヴェール(飯田橋)
もともと好きだったタルトタタンへの執着心を飛躍的に強める要因となったお店。
この写真、右手前の角っこは食べかけて削れてます。ほんとはぴしっと四角いタタン。
見てわかる通り、煮詰め方が尋常じゃない。この小さなタルトに林檎が3個入ってるんだよ…濃厚…!
そしてフィリングの表面もしっかりキャラメリゼされていて、パリッとしてるのです。
土台はサクサクのフィユタージュで、飴・フィリング・パイのバランスが最高。
お店のメインは生ケーキですが、生ケーキもまたおしゃれでおいしいです。アグネスホテルのラウンジでも食べられるよ。
6. アヴランシュ・ゲネー(春日)
元ル・コワンヴェールのパティシエさんが独立してつくったお店。
それだけで期待感高まるのに、去年12月に見つけたこのタルトタタンのフォルム!!!
林檎型…宇宙…銀河鉄道…ありとあらゆる私の好みのツボを押してくる…
土日祝限定、個数限定というハードルの高さでしたが、初日間に合わずがっくりしていたら電話予約できることがわかり、翌週無事に対面できました。
林檎型の表面はホワイトチョコレートコーティングで、フィリングはとろける舌触り。
あまりにも林檎部分のボリュームがしっかりあるので、土台はもっと分量多くても嬉しい。しかしサクサクのフィユタージュ自体もキャラメリゼしてあって詰めが丁寧すぎるよ…泣く…。
7. アサコイワヤナギ(等々力)
芸術的で繊細で上品で素晴らしくおいしいパフェを食べられるお店。タタンは奥に小さく写ってます。パフェもタタンも私が食べたよ。
よく見えないけれど、ここのフィリングはTWGのように林檎の原型を留めていて、しゃきしゃき感がある…んだけど、味はとっても濃厚。
そしてすごく好きなポイントが、土台が折り込みではなく練り込みパイ生地!! パートシュクレというやつです。クッキーみたいな食感のあれ。そしてアーモンドクリームらしきものもはさまっている。好きだ〜〜!
フィユタージュもおいしいけど、単に生地だけで比べたらパートシュクレのほうが好きなのでこの組み合わせは幸せです。
8. フィリップ・コンティチーニ(銀座)
ギンザシックス地下2階にあるお店。
まず見た目がタルトじゃない。まるい。
これはタルトタタンではなくクイニータタンという商品なのです。クイニーアマン×タルトタタン、悪魔の誘惑。
切るとこうなってます。
生地のまわりがすべてしっかりキャラメリゼされていて、林檎のやわらかさと好対照でおいしい。
同じくまんまるのキャロットケーキも見かけたので次はそちらを買うつもりです。
9. FabCafe(神泉)
もはや焼菓子ですらない、進化系タタン。FabCafeの限定パフェです。
数日間しか食べられないうえにメニューは毎回変わるのでおすすめというよりただの自慢です。
チョコミントパフェの時にFabCafeの限定パフェの存在を知って見た目の虜になり、しかしタイミングが合わず涙を飲み、それ以来パティシエさんのアカウントをフォローしていたところタタンパフェは予約開始直後に気付けて食べられた…!
左側の林檎のアクリルプレートは、パフェに載ってる林檎型メレンゲの抜き型を作るときに出た端材なんだよ。そこから作ってしまう情熱よ…。
・キャラメリゼタタン(煮詰めた林檎)
・アッサムティーアイスクリーム
・紅玉のメレンゲ(林檎型!)
・紅玉パウダー
・ざくざくローストアーモンドのキャラメルアイスクリーム
・カシスソルベ
・クレームシャンティ
・紅玉のジュレ
・クランブル
・キャラメルクレームシャンティ
という構成で、見た目も味も変化に富んでいて楽しめます。メレンゲもちゃんと林檎の風味があっておいしかった。
ちなみにチョコミントパフェはこちら。
新作パフェ【Mintopia】
— srecette (@srecette) 2017年5月3日
5/14から6/4のうちの6日間限定で発売します。
チョコミントアイスクリームもピンクグレープフルーツソルベもピスタチオアイスクリームも主役級の味わいに仕上げました。
東京渋谷FabCafeにて。御来店お待ちしています🌱 pic.twitter.com/KNwpFbfkxd
かんわいいでしょ。
チョコミント特に好きじゃなかったけど、だからこそ「チョコミントアイスが苦手な方にも」と謳われたこのパフェが気になって、しかし食べられなかったので欲望の捌け口としてコンビニでチョコミントスイーツを買い、結果としてふつうにチョコミントが好きになりました。
チョコミントパフェ、また出してほしいなぁ。たぶんあと何年経っても「食べたかったな」って思い出します。
以上。
これから食べてみたいのは、オーボンヴュータンとノイエとアフターアワーズのタルトタタン!
タタンじゃないけどアサコイワヤナギのアップルパイパルフェも気になってます。食べたいものが多すぎる、胃があと3つくらい欲しい。
おすすめのタルトタタンやベイクドケーキのお店があったらぜひとも教えてください♡ ベイクドケーキラヴァーの同志がいたらいいな…!