ねむみめも

ねむみめも

It's ineffable.

2020年に出会った映像作品ベスト5

楽しみにしていた映画が軒並み公開延期になってしまった2020年。映画館で観たのは10作だけ、家で観たのが映画とドラマあわせて40作。家時間がたっぷりあったわりに、途中からはそのゆとりに慣れてそんなに観なくなってしまっていてもったいないなと思っていたところ、年末になって急転直下で邦ドラにどはまりして楽しく過ごしているので良しとします。

順位付けはすごーーく難しいけど、振り返るきっかけとしてベスト5を考えてみました。なお、画像はすべて公式メインビジュアルをお借りしています。

 

5位:セックス・エデュケーション(ドラマ)

f:id:emymica:20201231194744j:image

第1話はなかなかパンチが強くて(性的な話題、という意味で)どうなるんだと思ったのですが、タイトルのとおり真摯に性に向き合った作品で、たくさんいる登場人物それぞれのドラマが細やかに描き出され、絡み合い、素晴らしく面白い。さらにすべてがおしゃれで映像として見るのが楽しい。エンタメ性とメッセージ性のバランスが完璧だなと思う。シーズン3が待ち遠しいです。

 

4位:リーマン・トリロジー(NTLive!)

厳密には舞台なのだけど、撮影されたものを映画館で観たので入れます。

f:id:emymica:20201231190216j:image

すべてが凄すぎて、呆然としながら観ていた記憶がある。リーマン・ショックの、あのリーマン・ブラザーズを巡る三代記を、3人の役者だけで演じきっていて、正直リーマン・ブラザーズへの興味はさほどなくてどうなのかな〜と思いつつもなんだか気になって観に行ったのですが、大大大正解でした。叶うならまた観たい。

演出のサム・メンデスさんは1917も手掛けられてるんですね。戦争ものを観られる心理状態の時に観てみようかな…!

 

3位:ストレンジャー・シングス(ドラマ)

f:id:emymica:20201231191944j:image

ひとたび再生しはじめると止まらないことがよくわかるツイート。この翌週末にシーズン2と3も完走しました。

デザインは明らかに好みではあるもののホラー作品が苦手なので敬遠していたのですが、たぶんセックス・エデュケーションが良かったのでNetflixの人気作への信頼度が一気に上昇して観てみようと思ったような気がする。観て良かった。

ある少年の失踪からはじまるSFホラー……なのですが、たしかに怖いシーンはしっかり怖い(まあまあ血もある)ものの、要となる概念がファンタジー畑な私にも馴染みやすかったし、どのキャラクターも魅力的で人間ドラマが良い。世界観、美術、衣装も好き。いま私がいるこの場所の「裏側」、どんなかな…と考えちゃいますね。

主演エル役のミリー・ボビー・ブラウンちゃんが抜群に素晴らしく、エルの成長から目が離せない。ついつい日常生活で首をコキッとしたくなります。

 

2位:MIU404(ドラマ)

f:id:emymica:20201231192110j:image

星野源&綾野剛主演のバディもの。11月の終わり、急にはまった。

私はフォロイーさんのコスプレで気になっていて、夫は仕事相手から推されて、引っ越しが落ち着いたら観ようと決めていたのでこのタイミングに。正直、なんで放送当時にはまらなかったんだと己を責めたくらいにはどはまりしています。

日本のドラマがたいてい苦手でしっかり見続けられたことがなく、こんな勢いでのめり込んだ作品は初めて。制作にあたって「これまでにない刑事ドラマ、バディものを作る」という意気込みだったそうで、それゆえにこれまでのドラマが苦手な私のようなタイプでも楽しく観られたんだろうなと思います。ありがたや。

なんかこう、愛なんですよね。Good Omensからこっち、愛という言葉を使うことにとても慣れてしまったのですが、つまり広い意味の愛です。love、あるいはagapeかもしれない。バディの愛、彼らを取り巻く人々の愛、そして制作チームの方々の愛がびしばし伝わってきて、最高に楽しくて笑って泣ける。

1月3日朝4時より一挙再放送です。洋画沼の人も馴染みやすいと思う、特にアンクルお好きな方は好きかもしれない。ソースは私。

 

1位:ジョジョ・ラビット(映画)

f:id:emymica:20201231195829j:image

昨年末にロンドンでちょくちょくポスターを見かけて気になっていて、1月どあたまに日本で観て衝撃を受けたまま1年間ずっと今年いちばん好きな映画の座を譲らなかった作品。

これね、検索するとジャンルが「戦争/コメディ」って出るんです。意味がわからないでしょ? ちゃんと戦争を真っ向から描いてるんです。その切り口が、あったかくてくすっと笑える毒っけもあるコメディ…感のあるヒューマンドラマなの。そして色彩があまりに美しい。

無駄なものをこそだいじに、というのはずっと心に抱いているものさしなのですが、それを改めてしみじみと感じた作品でした。

映画館で鑑賞しながら、今すぐ好きなところを端から叫んで回りたい衝動に駆られつつ物語にも夢中、という脳がフルスロットルな状態だったのを覚えています。私の場合、戦争を描いた作品を観るにはかなり覚悟が要るのですが、ジョジョ・ラビットはそこの心理的ハードルがやさしく下げられていて、なおかつ深いところまで描かれているのがほんとうにすごい。ぜひ気軽に観てみてほしいです。

 

 

以上!

ああ、でもやっぱりここに書けなかった作品もどれもよかったな。ナイヴズ・アウト、ナウシカ歌舞伎、パワーレンジャー、ロミジュリ(ロイヤルバレエ)、チャーリーズ・エンジェル2020、グランド・ブダペスト・ホテル、ディセンダント3、ストーリー・オブ・マイライフ、エノーラ・ホームズ、ダンケルク、私立探偵ストライク、エミリーパリへ行く……書き切れないけどいろんな作品からいろんな種類のパワーをもらった。

で、しかしながら、やっぱり私は映画を観るなら映画館で観るのが一等好きだなと実感した年でもありました。体験として好きなのはもちろん、映画館で観るのと家で観るのとでは伝わる魅力が大幅に違う作品は確実にあるし、スクリーンで上映する前提で作っているクオリティをしっかり味わい切れないのはあまりにもったいない。

もっと安心してみんなが出歩けるような日が来たら、どうか今年あいまいな状況下で封切られた映画たちにまた映画館で掛かるチャンスがありますように。映画館、そして映画に限らずエンタメ業界が持ち堪えられますように。撮影中あるいは中断している作品たちが無事に完成に辿り着きますように。

そういえば今年は供給が落ち着いていたけれど、2021年はまたMARVELにも大フィーバーしそうです。楽しみだな。来年もたくさん素敵な作品を観て、あと今年よりもアウトプットを増やしたい。今しばらくは安全第一で、主におうちでエンタメをもりもり楽しみお金を投じてゆく所存です。まずは年始にクイーンズ・ギャンビット観なくちゃな。