ねむみめも

ねむみめも

It's ineffable.

霧の軽井沢日帰り旅 湖と鳥と薔薇と焼菓子そしてツルヤ

そのうちツルヤにご一緒しませんか、とLINEを送ったのは冬の終わり頃だったと思う。たぶん2010年代からツルヤに行きたかった私は、しかしながらツルヤ未体験の身を不本意にも貫いたまま2026年に至っていた。

すぐに色好い返事が届いて浮き足立ったけれど行き先をどのツルヤにするかが悩ましいところで、あわせて訪れたい場所をふたりであれこれ検討したのち、向かうべきは軽井沢店と結論づけた。

軽井沢駅からツルヤ軽井沢店までは路線バスで移動して、同じ路線で行けるレイクガーデンのまわりのカフェもめぐる算段です。

 

霧雨の軽井沢へ

春にもたびたび会っていたけれど、お塩さんと私、ふたりとも日帰り旅行に無理のない日程を選んだら6月20日になった。入梅していそうな時期。ひどい雨なら日を改めようと決めて、長期の天気予報をそわそわと確認する日々を過ごしていると、半月前になって6/20の欄に突如として傘マークが現れ、ついでに気温がガクッと下がったので慌てて折りたたみ傘を新調して、着る服のプランを大幅に変えた。

直前までそわそわし続けたものの、天気予報はごく小雨のまま。当日の早朝、最後の確認をと思って軽井沢町の予報ページを開くと、「濃霧注意報」の文字が並んでいた。俄然楽しみである。

 

東京駅で待ち合わせて(ノーレーズンサンドイッチの行列に慄いたのち)、9:04発の北陸新幹線あさまに乗り込んで駅弁をいただく。

f:id:emymica:20260621124221j:image

駅弁屋祭で買ったんですが、名前をメモしそびれていた。梅ひじきごはんのお弁当、朝にちょうどいいボリュームでした。

すっかり旅気分ながら、1時間ちょっとで軽井沢に到着。お喋りしていたらあっという間。

駅から出ると霧が立ちこめていた。

f:id:emymica:20260621124918j:image

なんて幻想的な。

運転する人は大変なのだろうけど、今日の私はハンドルを握る予定がないのでテンションが上がるだけである。

路線バスの時間まで40分ほどあるので、プリンスアウトレットの手前側をさらりと流し見て、るんるん歩いている犬たちを微笑ましく眺めた。ダックスフントは3頭ならぶととみにかわいらしいと思う。

 

Horse and the sunでランチ、おまけにチュロスとドーナッツ

ツルヤは最後に楽しむことにした(配送前提ではあるけど手で持ち帰る荷物もたんまり増えるはずですから)ので、まずはレイクガーデンのエリアに向かう。町内循環バス東・南廻り線で11駅目、ニュータウン入口で下車。降りたところからしてこうだから、期待がはち切れんばかりになりました。

f:id:emymica:20260621130127j:image

レイクガーデンと書かれた立て看板に従って歩いて行くと、薔薇に覆われた(としか言いようのない)建物が現れて、その斜向かいがレイクガーデンの敷地の角っこだった。ここにもいろんな種類の犬が連れられて歩いている。

いつかもぐらも連れてきたいな〜と思いつつ、その角を左に曲がってすこし歩いたところに、ここ数ヶ月ずっと思い焦がれていたお店、Horse and the sunがあった。

f:id:emymica:20260621133554j:image

扉を開けるとおいしそうな食材や瓶詰めが並んでいて目移りするんだけれども、なによりも心躍るのが、これ!

f:id:emymica:20260621133657j:image

ひゃ〜〜〜〜〜〜〜!

f:id:emymica:20260621133700j:image

甘いものの他にはフォカッチャサンドとホットドッグ、それぞれのサラダ付きプレート、それからスープなんかもあった。

ごはんも食べたいし、甘いものも食べたい。でも後でまた焼菓子を食べたいから胃が心配。協議の末、サラダ付きプレートとチュロスはひとりひとつずつ、シナモンドーナツを半分こすることにしました。

テラス席でお皿が運ばれてくるのを待つのも楽しい。

f:id:emymica:20260621134143j:image

なにせこの景色。この湖がレイクガーデンのレイクたるレマン湖で、この画角の外側には嘘みたいに美しい薔薇の園が広がっている。木々の種類も東京の公園とは違っていて気持ちが昂揚するような、澄んでいくような、どっちなんだろう、なんだか空気もしっとり湿っているのに重たくなくて凛としたいい匂いだし、お店のちいさなお庭に繁っている葉っぱの前に立てられた「ルッコラ(ごまの香り)」という札もどういうことだろと気になりだしたら可笑しくて、ぜんぶ混ぜこぜで素敵な気分だった。

不思議な鳴き声の鳥に和んでいたら麗しい食べ物たちが到着。

f:id:emymica:20260621134052j:image

よくばりセットである。

この空間でおいしいものを食べられる喜びに浸りつつ、よく食べ、よく喋った。

f:id:emymica:20260621134055j:image

さっき駅弁を食べたばかりなのによくばりすぎたかなとほんのかすかにだけ思ったけれど、ぺろりでした。フォカッチャサンドも、チュロスもドーナツも、軽やかでとってもおいしかった! 次に行ったら違う味のドーナツも食べてみたい。あと、店頭で売られていた桃のピューレもおいしそうで…次はここでも荷物を増やす算段で来なくちゃ。

 

薔薇咲き乱れるレイクガーデン

さて、次は腹ごなしも兼ねてレイクガーデンをおさんぽする。実のところ、もとはツルヤ訪問が主目的だったものの、旅を心待ちにするうちに私の中ではいつのまにかレイクガーデンの比重がずんずん大きくなっていた。非生産的な時間を気持ちのよい場所で過ごしたい欲求と、理想的な空間に身を置いて感覚にすべてを任せてみたいなという欲求から。

ドーナツを頬張りながら眺めていた時点で既に期待以上だったけれど、足を踏み入れてみたらあまりの美しさに陶然とするほかない光景が広がっていたというか、私たちを包んでいた。

f:id:emymica:20260621135720j:image

f:id:emymica:20260621135343j:image

f:id:emymica:20260621135339j:image

f:id:emymica:20260621135330j:image

f:id:emymica:20260621135724j:image

もう、言葉が追いつかない。

f:id:emymica:20260621135335j:image

f:id:emymica:20260624165316j:image

f:id:emymica:20260624165313j:image

f:id:emymica:20260624165324j:image

f:id:emymica:20260624165319j:image

霧の日に来られた幸運よ。歩き回るうちに小雨が降り出したけれどまったく気にならなかった。惜しむらくは、ぼーっと過ごすのにうってつけの場所に配置されたベンチがどれも濡れそぼっていて座れなかったこと。それでも、これまた嘘みたいに愛らしい、小さな薔薇がこんもりと咲き乱れているガゼボに入ってみたらまだ椅子は濡れていなくて、雨足が強くなるまでしばらくぼんやり外を眺めていました。

f:id:emymica:20260624165331j:image

f:id:emymica:20260624165328j:image

東京から1時間とすこしで、こんな時間を味わえるなんて。

いくらでもここにいられる気分だけど、今日のうちに帰らなくてはいけない身の上なので…それにまだ楽しみな旅程が残っているので、名残惜しく思いながらも薔薇の園を後にする。ああでも、もっとこの空間に心をひたしておきたかったな。また来ます。かならず。

 

ELEVENSES TEA ROOMSでゆったりクリームティー

ツルヤに向かうバスの時間をレイクガーデンの出口で確認したら、あと1時間ちょっとだった。軽いティータイムにはちょうどいい。

隣接するカフェELEVENSES TEA ROOMSも入り口からすっかり英国の雰囲気で心が躍る。

f:id:emymica:20260624165352j:image

ランチタイムにかぶってしまって少し並んだけれど、のんびりお喋りして、好物のヴィクトリア・スポンジとクリームティーどっちにするかうんうん悩んでいたら順番がまわってきた。

悩み抜いた末に、お塩さんと同じくクリームティーを注文。

f:id:emymica:20260624165347j:image

運ばれてきたのは端正な佇まいのスコーンたち。そそられる焼き色。とてつもなくどうでもいい情報ですが、スコーンはデヴォン式9割、コーンウォール式1割でいただく派です。たま〜〜に逆にしてみたくなるの。

マグにたっぷり注がれたオリジナルブレンドのイレブンシスティーもおいしかった。このところカフェイン少なめで日々を過ごしているので、ストロングティーの身体に沁み渡ることといったら。第三の眼が開くかと思った。はあ、大満足。

 

いざ、ツルヤ!!!

来た時と同じ側のバス停で待つこと数分、ふたたび町内循環バス東・南廻り線に乗って15駅先の鳥井原団地前へ。降りたら目の前がツルヤ軽井沢店だった。

カートにかごを載せて入店するとすぐに生の杏が並んでいて興奮、でも重たいからまだかごには入れないでおこうと思ったら今度はブルーベリーの蜂蜜漬けなるものが夥しく陳列されていて圧巻、品切れてるけどこれアメチェもあるみたいじゃない?!え〜〜〜欲しい〜〜〜などとちいさく叫んだところでようやく青果売り場が始まる。恐ろしい。

青果売り場もね、東京でも売ってる果物もあるんだけれども、なんとなく迫力が違う、気がする。果物ひとつひとつ、ひと粒ひと粒がぴちぴちぷりぷりしているし、重量を感じる。あと、並べ方に自信も感じる。近所の果物が豊富なスーパーでも見かけたことのない台湾ライチと、お値打ちに感じた大きな桃をかごに入れて突き当たりを左にターンして瓶詰めコーナーへ。果てしがない。

- 敢えておすすめを見ない戦法

今回、ちょっと迷ったけれど、私は敢えてネットに溢れる「ツルヤではこれを買え!」的な情報を一切見ないで臨みました。レイクガーデンで感覚を養う時間を過ごすなら、ツルヤでも直感に任せてみるのが楽しいかもしれないと思って。

まあ、「ただし(ツルヤリピーターである)お塩さんが推すものは買う」という特大チートによって盤石さが保証されるわけなのですが。

スマホはバッグに入れっぱなしで、ただひたすらに目の前で輝く商品たちと向き合い、手に取っては吟味する時間の、実に愉しいこと。しばし別々に店内を歩き回るあいだにぽいぽいかごに入れたものを、合流したお塩さんから「あ、それおいしいやつです!」と太鼓判を押されてにんまりしたり、お塩さんのかごに気になるアイテムを見つけて「それどこにあったんですか?!欲しい!」と尋ねては探しに行ったりするのも愉快だった。充実のお買い物体験になりました。

- 初ツルヤのレシートはこちらです💁‍♀️

f:id:emymica:20260621123239j:image

簡単に15,000円くらいいっちゃうんですよ〜と聞いていたけれど、まさしく。ちょっぴり控えめにしたつもりで14,954円也。

でもお買い物そのものがエンターテインメントですから。しかもそれでいて後日ゆっくりおいしく味わえちゃいますから。納得の出費です。

 

初めてのツルヤで買ったもの・リピート確定アイテム

当日持ち帰ってすぐ食べたものは撮りそびれたのですが、ざっとこんな面子です。詳しくは先ほどのレシート画像を読み解いてください。

まだ食べていないものもありますが、この中から、絶対にまた買うと既に決めたアイテムを紹介します。

f:id:emymica:20260624170458j:image

- 薪火焼き皮付きカシューナッツ

皮の香ばしさ、ごく薄い皮なのにその僅かな歯触りが最高。塩気もちょうどいい。自制心が試されるうまさ。

- 自然のミックスドライフルーツ

これはツルヤブランドじゃないし長野のメーカーでもないんですが、砂糖不使用のドライフルーツってほんとに少ないので、確保。しかも滅多に見かけないドラゴンフルーツなんかも入ってる。うまい。砂糖入りだと柔らかくて食べやすいんだけど、圧倒的に甘さが勝つのが惜しくて…。これは青果売り場(冷蔵棚)の一角にありました。

- 生七味唐がらし

お塩さんの一押し。まだ柚子七味は開けてないんですが、これはたしかにすごい。冷奴にこれをほんのちょっととかつおぶしをばらりと載せるのが好きです。

- 野沢菜油炒め

こちらもお塩さん一押し。届いた日に「炒飯とかにいいらしいよ〜」と話していたら、基本的に調理にはノータッチの夫が翌日めずらしく炒飯を作ろうかなと言い出して、冷蔵庫にあったチャーシューとこれを入れたらま〜〜ほんとにおいしかった。

f:id:emymica:20260630131142j:image

私は家で作る炒飯というものにあまり興味がなく、たぶん我が家で炒飯が調理されたのは7年ぶりくらい。革命的だ。また食べたい。

f:id:emymica:20260624170509j:image

- クラムチャウダー

お安いのに具沢山で満足感あり。他のふたつは味付けがあんまり好みじゃなかったんですが、クラムチャウダーはまた買いたい。味がしっかりめなのですこし牛乳を足して小鍋で温めるのもありかもしれない。

- 信州産百花蜜

こっくりした味わいでおいしい。れんげ蜜やアカシア蜜みたいな想定で舐めるとびっくりしちゃうかも。蜂蜜も種類豊富だったから次は違うものも買ってみたいな。

- りんごバター

てっきりバターメインなのかと思っていたら、ほぼりんごな印象。やさしい甘さでいろいろアレンジしたくなる。今のところ、①これを食パンに塗ってからトーストしてシナモンパウダー好きなだけと塩をぱらりとかけて食べる ②ドライフルーツ入りのハードパンを焼いてこれをたっぷりのせてかぶりつく のが好きです。次はキャラメルりんごバターも買おう。

f:id:emymica:20260624170501j:image

- 素材そのままえび、貝柱

これは夫も私も夢中になってあっという間に完食してしまいました。儚い…。軽くてさっくさく。次は10袋ずつ確保せねば。

- 国産 紅玉ジュース

最高!感謝!紅玉!!!

林檎ジュースで紅玉って初めて見た。酸味大好き紅玉大好き人間だからジュースコーナーで真っ先に紅玉のニ文字に吸い寄せられました。やっぱり林檎ジュースと聞いて想起するのはふじとかのまろやかな味わいだと思う。このジュースはちゃんと紅玉!甘酸っぱい!最高!次何本買えばいいかわかんない!

- 贅沢絞り もも、黒ぶどう

言わずもがな。そりゃうまかろう。紅玉の瓶よりほっそりしたシリーズなので、夫とふたり「おお…もうなくなってしまう…」と嘆きながら飲み干しました。たしか赤ぶどうと白ぶどうもあったはず。そっちも買ってみたい。

f:id:emymica:20260624170505j:image

- 国産まぜごはんの素 野沢菜ちりめんごはん

炊飯後にまぜこむだけ。もっと買えばよかった! きのこ入りバージョンときのこだけバージョンもあったので次はコンプリートします。

- 長芋浅漬 わさび風味

お塩さんのかごに見つけて真似したもの。真似してよかった〜!長芋のサクサクの歯触りと鼻に抜けるわさびの香りが爽やか。ツルヤのブログによると刻んで納豆に入れたりするのもいいらしい。いかにもおいしそうじゃないか…。

- 昔ながらのうんまい菜っぱ

帰宅後真っ先に開封したので写真がなく、レシート記載の名称がちょっと違ったので気になって検索してみたら、通販サイトがありました。

f:id:emymica:20260701191215j:image

野沢菜漬けは数種類あって迷い、なんとなく貫禄を感じたこちらを購入したんですが、食べ応えも味付けも満足。日を追うごとに酸味が増すのもまたおいしくて、特にアレンジせず食べてしまいました。

f:id:emymica:20260624170512j:image

- 桃(白鳳)

山梨県産ですけれども…あらお値打ちと思って。翌日、東京のスーパーでも桃が大差ない価格で売られてるのを見つけたものの、よくよく見たらサイズがまったく違いました。重たいけど手で持って帰った甲斐あってとってもおいしかった。桃に限らず、旬の果物は毎回なにかしら買ってみたいな。

 

総じて大満足!ツルヤはやっぱりワンダーランド!

 

豪雨の帰途

ツルヤからは中軽井沢駅までのんびり歩いて電車かな、と話していたものの、来た時とは比べものにならないほどの豪雨で断念。ちょっと待ってみたらタクシーが来たのでこれ幸いと飛び乗り、10分ほどで軽井沢駅に辿り着いた。複数人ならタクシーおすすめです。

予定よりも早く駅に着いたので、帰りも再びアウトレットに寄り道することに。想像の数倍巨大な敷地に慄きつつひたすらお店と犬を眺めてまわり、ジルサンダーの黒いワンピースとMAX MARAのオフホワイトのパフスリーブブラウスにときめいていたらあっという間に時間が過ぎて、最後はほとんど駆け込むようにして軽井沢駅へ。

 

釜目当てに峠の釜飯購入

f:id:emymica:20260624165605j:image

時間ぎりぎりの中、お決まりの峠の釜飯をささっと購入する。友人がこの釜で炊き込みご飯を炊いているのを見て猛烈に作りたくなったもので。何度も食べたことはあるのに、食べた後の器が調理器具としてちゃんと使えるなんて考えたこともなかった。前回軽井沢に来た時は実家を出る前だったから、料理もほとんどしたことない状態だったんだな…。

久しぶりの釜飯は安心のおいしさだった。食べている間から、頭の中は「これで何を炊こうかな」でいっぱい。早く炊いてみたいな〜。

 

帰りも1時間ちょっと、あっという間に東京駅に到着。行く前はこんなに雨模様だと過ごしにくいかなと心配もあったけれど、しみじみと良い時間を過ごせた1日でした。記録できてよかった。あの素敵な余白みたいな時間、ひんやりと美しい空気、そうそう忘れないだろうけれど、すこしでも濃い記憶を残しておけるのが嬉しい。

 

余談:雨の日帰り旅行のために買ってよかったもの

雨を快適に過ごすための対策もしていた&功を奏したのでご紹介します☔️

- モンベルのトラベルアンブレラ55

https://webshop.montbell.jp/sp/goods/disp.php?product_id=1128695

モンベルの折りたたみ傘、ものすごいバリエーションで迷ったものの、軽量化最優先でこちらに。傘の直径97cm、6本骨という安心設計なのにたったの112g、すごすぎる。

使ってみて感じたデメリットは、開く時ですら骨をポキポキいわせてジョイントさせないといけないこと(閉じる時は言わずもがな)、それから取っ手部分に腕にひっかけられるようなループがないこと。

ポキポキ問題はまあ慣れるかな、という感じ。面倒ではあるけど、それを補って余りある軽さと安定感です。8本骨のほうがいいかと思ったけど6本でも充分よ。10年以上使ったキャスキッドソンの5本骨ですら今にも壊れそうなよわっちさだったのに10年以上保ったので、この安定感なら如何ほどかと。ポキポキする回数も少なくて済むしね。

ループは傘の先端部分には付いていて、そこを持った方が水が落ちやすいからのよう。でもこのループ、だいぶ小さいのでちょっと不満。でもま、取っ手側にも自分で紐つけちゃえばいいや〜と思っています。

夫が数年前に買ったスノーピークの折りたたみ傘(これも当時評判だった)と似たようなものかと思っていたんですが、差した時の安心感が段違いでした。モンベルの良さを力説していたら「俺もそれ買おうかな」と言い出したので、それなら私がトラベルサンブロックアンブレラを買ってトラベルアンブレラを譲ろうかしらと検討中です。遠出する時だけ軽い方を借りればいいかなって…。

ちなみにAmazonに今あるものは軒並みお値段高めなのでご注意を。

- 無印良品のTPU巾着Lサイズ

在庫復活してる!

私が買ったタイミングでは無印公式通販も店舗在庫もAmazon通常在庫も枯れ果てていたのに、なぜかAmazon Freshには在庫があったため食品とあわせて購入しました。

これもほんと〜に買って良かった。去年ひとりで京都日帰り旅をした時も霧雨で布素材のバッグがぐっしょり、入れていたものも一部濡れてしまって大反省したので、今回はこのポーチの中に愛用している無印のバッグインバッグをセットして臨んだところ、快適かつ安心でストレスフリーでした。

折りたたみ傘もTPU巾着も、旅から戻ってきても日々活躍しています。こういう、イベントきっかけで導入したアイテムを日常的にも愛用できるのが妙に嬉しくて…普段なら踏ん切れないままで終わりそうなものを思い切って買えたり、選択肢にのぼってこないものに出会えたりするのが大好きです。

 

いよいよ7月、夏到来ですね。あの霧の日からもう半月が経ったことに慄き、暑さに怯えています。なんなら既にへばり気味。夏の間にまた軽井沢にひたりに行ってしまおうかしら。

アイスランド旅行の前に読んだ本たち&今ぜひとも読んでいただきたいアイスランド本

旅行記を終える前に…その2、私がアイスランド旅行の前に読んでいた本を紹介します。

 

今も手元にあるのはこちら。

f:id:emymica:20260105183002j:image

左上から順に。ガイドブック系は最新のものをご覧になったほうがよいかと思いますが、新品あるいはKindle版があるものはリンクを貼っておきます(Amazonアソシエイトリンク*1です)。

・北欧の絶景を旅するアイスランド - 萩原 健太郎

デザイン系のお仕事をされている方ゆえか、とにかく写真が綺麗で行ってみたい場所を探すとっかかりにするにはぴったりだった。今ひらいてみると、私が実際に見て感じたアイスランドにかなり近いです。お店のセレクトも素敵。

大自然とカラフルな街 アイスランドへ - 大丸 智子

著者はレイキャビク在住の方。注意点も細かく記載されていて、情報を得るにはこれがいちばんだった。ので、付箋の量もいちばん多い。ガイドブックの中でこの本だけは旅にも携帯しました。

神秘の絶景に会いに行く! アイスランド★TRIP - てらい まき

Kindle Unlimitedに入っています)
コミックエッセイなのですいすい読めて、てらいさんの視点でアイスランドの様子を覗けるのが楽しい。私たちは日帰りでしたが、宿泊するタイプのバスツアーに参加されています。ごはんレビューはこれをいちばん念入りに読み込みました。

北北西に曇と往け[ワイド版] - 入江亜季

以前こちらを購入するか迷っているという方に相談されたことがあるのですが、ワイド版、良いですよ!原寸とまではいきませんが、コミックの倍近いサイズで美しい絵を堪能できます。カバー、剥がして額装して飾りたい…。

北北西に曇と往け - 入江亜季

とりあえずこれを読めばアイスランド熱が高まること間違いなし。こちらも(1巻だけですが)旅の荷物に入れていました。

・TRANSIT No.37 特集:永久保存版 アイスランド 地球の神秘を探して

やっぱり外せないTRANSIT。旅のプランを練っていた頃にはもう中古しかなく、図書館で一度借りたもののやっぱり欲しくなって中古で買いました。旅に直結することのほかにもアイスランドの文化を知る手がかりが散りばめられていて、まだまだ読み込めそう。

・ICELANDIC HONEYMOON - 森 貴美子

私と同世代の女性はみんな知っているであろうnon-noモデル森きみちゃんを、夫であるフォトグラファー掛川陽介さんが写したフォトブック。ただただアイスランド森きみちゃんを眺めて楽しむ本です。ひたすらかわいい。おそらく春なのかな、芝生が青くてお花も咲いている時期で、ほわ〜〜っと明るい空気感が夢のよう。

地球の歩き方Plat アイスランド

Kindle Unlimitedに入っています)
安定の「地球の歩き方」も目を通そうかな、と思って。ガイドブック系は複数冊を読み比べて、絶対に行きたいところ、できれば行きたいところ、そのついでに行けそうなところ、を絞り込むようにしています。

 

そして図書館で借りていたのがこちら。

f:id:emymica:20251212191831j:image

※『世界ぱんぱかパンの旅』と『BIRD 8号』は非アイスランド

・BIRD 3号 アイスランド

TRANSITの姉妹誌。こちらも写真があまりに素敵で…私はネイリストさんに表紙と中面の写真をいくつかお見せしてこんな爪で渡氷しました。

BIRDはメインターゲットが女性なので、TRANSITよりもかわいい雰囲気。でもこちらも多角的にアイスランドを掘り下げていて読み応えあり。検索したら欲しくなってしまって、今中古を購入しました。ほくほく。

アイスランド 絶景と幸福の国へ - 椎名誠

椎名誠さんだし読んでおこうかな、と思ったらあんまり好みじゃなかった。写真はアイスランドのワイルドな面が楽しめます。

 

最後に、旅の後に手に入れた我が家のアイスランド本も見てください〜!

f:id:emymica:20260105211340j:image

特におすすめなのが、付箋びっしりにしてしまった『父の四千冊 アイスランドのアーティストによる回想』

(なんで表紙こんな色になってるんだろう…)

めっっっっちゃくちゃ面白いです。出版社を営んでいたお父様の四千冊の蔵書をどうにかしなくちゃいけなくなってしまったラグナルさんによるエッセイ。日記ブログを読むのが好きな人なら好きなんじゃないかしら。

アイスランド語で書かれた「本」といえば「アイスランディカ」と呼ばれる自伝めいたもの、この本の言葉を引用するなら「アイスランドの人びとによる民話や土地の物語や年代記」が多くを占めるんです。アイスランドでも、英語で書かれた本なら我々が日本語で読んでいるようなジャンルの本も売られてるけど、アイスランド語だともっぱらアイスランディカなのだとどこかで聞いて以来、不思議な文化だなと思いつつ詳しいことをよく知らずにいたので、出版文化を垣間見られる点も興味深かった。

そして、私自身、ほんの2年前に写真関連の仕事をしていた亡き父の大量の蔵書(ぜーんぶ写真集、つまり分厚くて重たくて運ぶのが大変だし、絶版本を求めている人がいるかもと思うとゴミとして処分するのも憚られる)を処理する役回りに苦労したばかりなので、深々と感情移入して読みました。実家の片付けに疲弊したことがある人は絶対面白くなっちゃうはず。ぜひ読んでみてください!

 

おまけ:アイスランド本、もぐらを添えて。

f:id:emymica:20260105205859j:image

*1:リンクからのご購入によって発生した報酬は今後の活動のサポート(もぐらのおやつ含む)となります。何より私の書いたものが誰かの役に立ったんだな〜と知れたら飛び上がるほど嬉しいです🥳

2025年に買ってよかったもの

2026年になりましたね。まだ打ち慣れない、2026。よい1年になりますように。

 

ブログ初めとして、2025年に買ってよかった暮らしのアイテムを振り返ってみます。

買ってよかったもの、心の底から気に入っているものは書ききれないくらいあるのですが、とりわけ日々「買ってよかったなぁ」と反芻することの多いアイテムを紹介します✍️

 

 

1. 東屋のバターケース(半切)

何年も気になっていたものの、バターケースにこのお値段…と躊躇っていました。でもねえ、引っ越したら買う!と決めていざ買ってみたら大満足だった。

私は大きいサイズのバターを買うことが多いのでそれを分割して入れたくて半切サイズを購入。バター、細いと端からどんどん使っていきやすい。

そして、密閉ではないけど四方を木に覆われることで冷蔵庫内の匂いはまったくつかないし、木の香りがほんのり移るのもまた良い。逆にこの木の匂いが嫌な人には向かないと思います。

想定外によかったのは、ケースの蓋側とか外側にバターがついちゃってもあんまり気にしなくていいということ。水洗いしづらいしどうすればいいんだろと思っていたら、脂が木に馴染んで風合いが育っていくとのことで、むしろ無頓着でも構わなかった。これはプラのケースには無い良さ。

冷蔵庫を開けてバターケースが目に入るたびに「買ってよかったなぁ」としみじみ思っています。


2. ヴィンテージイッタラのグラス

f:id:emymica:20260102164917j:image

氷みたいだ、と思って衝動買いしたグラス。

アイスランドを訪れてからというもの、以前にも増して氷モチーフが好きになりました。氷河のほとりの空気を連れてきてくれる気がして。

だいじに仕舞い込みたくなる気持ちを振り払って使いはじめたら、サイズや飲み心地も申し分なくてすっかりヘビーユースするように。1日に何度も手に取るから、買ってよかったと思った回数はいちばん多いかも。

新品で買ったイッタラはすぐイッタラシールを剥がすんですが、こちらはなんとなく剥がしづらくてそのまま使っています。特に気にせずわしわし洗っても剥がれないものなんですね。

 

3. ネパールのハンドニッティングルームシューズ

外せない要素を追い求めて探し続けたら、ネパールの手工芸品に辿り着きました。

↓柄違いのこちらはセールになってる🧦

冬場のルームシューズは長年の課題だったんです。

  • 化繊は履いてても結局汗で冷える
  • スリッパは歩きづらい(特に足腰を壊してからは無意識の小さな変化が大きなダメージにつながるので避けるように)
  • ウールソックス(普通の靴下含む)は足裏が滑ってしまうのでこれまた微妙に歩きづらい

ので、室内で過ごすのに裸足に勝るものがなく…。暖かさを度外視すれば、一時期は大きめサイズのバレエシューズ(ほんとにクラシックバレエで使うもの)をルームシューズにしていましたが、冷え対策の最適解は見つけられず毎年模索していました。

それが今年、手編みのウールルームシューズ、それも足裏にレザー(スウェード)パッチ付きのものを見つけて「これだ!」と取り寄せたら大正解。ウールでも冷えることはありますが、まだマイルド。なによりパッチのおかげでグリップが効いて歩きやすい!

今のところこの商品のほかにパッチが付いているものを見たことがなくて、今年のはじめに買ったものはもぐら(犬)が乳歯の頃にかじって穴があいたので最近同じものに買い替えました。

ウールのルームシューズ、いつか自分でも編んでみたいなと夢想していますが、実現はいつになることやら。編めたら絶対にレザーパッチも付けよう。

 

4. 伸縮シーツ・毛布ハンガー

シーツや毛布を干す時はクリップハンガーやズボンハンガーを複数使って「W」の形で干すようにしていたものの、まあちょっと面倒くさいし不安定になることもある。少しでも面倒を減らせればとこちらを買ってみたら、想像以上に気持ちが軽くなりました。

複数のハンガーで吊り下げると、重さで間隔がずれてしまって乾きにくくなることもある(室内でわざわざハンガーを固定する洗濯バサミつけるのも面倒だし)けど、これはジグザグかつ連結しているからなのか干した時から全然ずれている様子がなくて快適に使える。

小物用のピンチハンガーが埋まっちゃった時にも使えるし、地味だけど使うたびにありがたみを感じるアイテムです。

 

5. 酒津榎窯 武内立爾さんの六角皿

f:id:emymica:20260102171026j:image

(右の2枚。左の丸皿もお気に入り)

ふらっと入ったうつわ屋さんで出会ったお皿。色も形も模様も好きで、型違いを1枚ずつ買ったけど追加したくなり、1か月後に小さいのを1枚買い足しました。ほんとはもっと買いたかったけど在庫が無かった。ペースを決めずに気ままに制作される作家さんなのだそうで、なかなか入荷しないみたい。なんにも知らずに出会えたのは幸運でした。

何を入れても、入れなくても、佇まいがかわいい。あの時、直感を信じて買ってよかった。また買えることを願っています。

 

6. オルネドフォイユのイブルマルチカバー

f:id:emymica:20260102172109j:image

ソファカバーとして使っています。マスタードイエローと渋めのピンクの2色購入。面積が広いので、ばさっとソファに被せるだけで部屋の印象が変わって楽しい。

f:id:emymica:20260102172418j:image

記念撮影時は、オットマンにかぶせてもぐらのお立ち台にも。色が深くてかわいい。大好き。

実用面では、もぐらの穴掘り(猫の爪研ぎのごとくガリガリする)からソファ本体を守ってくれました。もぐらが嘔吐してしまった時もこの布のおかげで洗濯が少なくて済んだ。

でも、最近もぐらの噛み癖がずいぶんと洗練され、ほんの数秒で布に穴を開けてしまって中のわたを食べようとするので、今はいったん撤収中。いくつもあいた穴、どうしよう。そのまま縫い合わせるのは難しいからあて布したほうがいいかもしれない…。どうにかしてまだまだ長く使いたいと思います。

私が購入したものは完売してページも消えてしまったのですが、オルネドフォイユのマルチカバーは他のデザインもかわいくておすすめです。

マルチカバー – Orné de Feuilles

f:id:emymica:20260102181551j:image

 

7. コンデンサーマイク Marantz Professional MPM1000U

7月に友人とpodcastを始めました。何もかもわからないところから手探りで進めて、第6回からこのマイクを導入。初心者向けのお手頃なモデルながら、コンデンサーのわりにノイズを拾いすぎないし(つまり細やかさは物足りないのですが)、ひとりでもふたり同時でも使えるし、音質も悪いってことはないしで、その場しのぎのつもりで買ったのに愛着が湧いてきました。

マイクのクオリティとしてはもっと良いものも使ってみたい気持ちはあるけど、このマイクのおかげで半年間毎週更新を続けられたし、音声収録って楽しい!と心から思えたので買ってよかった。

 

ちなみに、「おやすみ魔女集会」という番組です。このブログを読んでくださっている方なら面白いかも…?と思うのはこのあたり。映画やコスメの話をしている回もあるので、よかったら聴いてみてください🎧(Spotifyの他に、Apple podcastでも配信しています。お気に召したらぜひフォローしてくださいね!)

 

マイクは、改めて調べたらナレーションやpodcastには2000Uの方がより雑音を拾いにくくて向いているみたいです。お値段はほぼ同じでセール中。

※本記事内のAmazonリンクはアソシエイトリンクです。こちらからご購入いただいた場合、発生した報酬が今後の活動のサポートとなります🌞

 

8. 洗えるかご

もぐらのおもちゃ収納に困って見つけ出したアイテム。

犬のおもちゃ、布製品って遊んだら絶対によだれがつくんです。でも毎回毎回洗うほどでもなく、しかしなるべくなら風通しの良いところに収納したい、あと汚れがついちゃっても諸共に洗えるほうがいい、ということで洗えるかご。

もともと洗えるラタン風とか白樺風の商品は見かけたことがありましたが、あまりデザインに惹かれず…天然素材のかごの隣に並べたら違和感あるだろうな、という質感なのも引っかかっていました。

このかごは文句なしにかわいいしラタンのかごの隣に置いても馴染むのがすごい。ぱっと片付けられる場所ってつまりすぐ目に入る場所でもあるので、見た目も気に入るものに出会えて嬉しいです。

 

9. ムーミンのマグカップ

f:id:emymica:20260102181151j:image

北欧の政府観光局でアルバイトをしていた頃、社員さんがお茶を飲むのにアラビアのムーミンマグを使っていていいなあと思ったものでした。なぜか当時は自分で新たにマグを買うという発想がなく(実家暮らしでキッチンには既にたくさんマグがあったからかもしれない)、結婚してからはなんでもない時に買うにはちょっとお高く感じて、それに何より絵柄を決めきれなくて、結局買わないまま時が過ぎるばかり。

折に触れて買い物をしているscopeというお店からの荷物の中に、周年記念として特注の「ムーミンオペラ」マグ&プレートを作ったというお知らせのチラシを見つけた時、あまりのかわいさにチラシの皺をよく伸ばして壁に貼りました。

ついに私もムーミンマグを買う時が来たのだと覚悟を決めて、発売されるのを今か今かと待って購入。手持ちの無地のマグも気に入っているものだけど、ムーミンマグを使う時は心がそわっと浮き立つ感じがします。そのうち別のムーミンマグも買いたいな…。

 

10. ワコールのコットンパジャマ

たぶん6年くらい着続けていたユニクロ×イネスコラボパジャマ、コットン100%で柄もシンプルシックなかわいさで気に入っているのですが、前立ての一部が破れてしまって…なんとなく誤魔化して着ていたものの、そろそろ新しいパジャマを買ってもいいかもしれないと思い立ってワコールのパジャマをおっかなびっくり(ユニクロの数倍のお値段なので)買ってみました。

いちばん好みのデザインは厚手だったので、まずは無地にパイピングのアクセントがついているものを。届いてすぐは大きすぎるかなとかシンプルすぎてどうかなとか思いもしたのですが、いざ着て寝てみるととっても快適!身体に馴染んできたら最初の懸念もどこへやら。すっかりお気に入りになりました。もともと気になっていた厚手タイプも買うつもりです🌷


 

書き終えて部屋を見回したら、「買ってよかった」と思うことすら忘れているほど、空気みたいな、つまりなくてはならない存在になっているものたちがまだあることに気付いてしまった……もう何年も使っているものとあわせて、殿堂入りベストバイ、あるいは愛用品の記録としていつか書けたらいいなと思います。書くことが多すぎて頓挫しそう。がんばろう。

 

これまでの買ってよかったもの記事

 

冬のアイスランド旅行に持って行ったもの、持って行きたかったもの

旅行記を終える前に、次に渡氷する時の私への申し送りを兼ねて、冬のアイスランド旅行の持ち物tipsです。キーワードは防風

f:id:emymica:20251211223249j:image

※リンクの一部にAmazonアソシエイトリンクを含みます。リンクからのご購入によって発生した報酬は今後の活動のサポートとなりますし、何より私の書いたものが誰かの役に立ったんだな〜と知れるのが飛び上がるほど嬉しいです。

持って行ってよかったもの

モンベルのジオラインMW

上半身が暑すぎる状態が苦手なので、ヒートテックの長袖はできるかぎり着たくなくて。モンベルのジオラインは、暑すぎることがないと見かけて購入。

襟ぐりが詰まっているので普段はあわせづらいこともあるけど、寒冷地での旅行着としてはばっちりでした。

 

SORELのスノーブーツ

私が買ったのはティボリⅣですが、どうやら廃盤(わずかに残ってるカラーとサイズはかなりお買い得になってる!)。ニューモデルが出たようです。

ソールが変更されてる。かわいい!

デザインがスポーティーすぎなくて好みだし(結局ユニクロ防風パンツにあわせたんですけど)、スノーブーツとしての信頼度、そして熊のロゴマークのかわいさで即決しました。

実際に雪道を歩いてみても、しっかりグリップされるので安心感が抜群。東京で珍しく雪が積もった日にもこれを引っ張り出して雪道を楽しく歩いてます。

 

デサント オルテライン アンカー(ダウンジャケット)

しっかりしたアウターは絶対に必須。

初めてデサントのダウンジャケットのお値段を見た時はあまりの高さに目を剥きましたが、当時7万円弱だったのに公式サイトを見たら今や12万円になっているではありませんか…。

私はユナイテッドアローズ別注の、レディースだけど身頃にメンズのパターンを使っているという、ちょっぴり大きめデザインのキャメルカラーを買いました。アイスランドに行くから!と気合いを入れて。


f:id:emymica:20251211001444j:image

f:id:emymica:20251211001439j:image

(ロンドンでの写真ですが)
これを買う前はBanner Barretの黒いロングダウンコート、表地がウールで金具がゴールドのものをとっても気に入って何年も愛用してたけど、あくまでもファッションブランドのものだったのでやっぱり保温性が段違い。あと、軽い。おふとんより軽いのにおふとんみたいにあったかい。

で、アンカーは今だに愛用中です。足腰を傷めて元々大好きだったウールのロングコートを着られなくなってからのここ3年ほど、冬はほぼこれしか着ておらず、さすがに傷んできていて買い替えようかなと思ってたんだけど…今の価格を見ちゃうと震える…でも同じくらいの機能性とデザイン性を求めると結局同じくらいの値段になるんだろうな…。

適度な頻度で使う分にはもっと長持ちすると思います。お値段分の快適さは保証される。

ただデサントの欠点は、どうやらものすごく人気ゆえに毎年発売されるとすぐに売り切れていってしまうらしいこと。私が買った時はそんなこととは露知らず。たまたま店頭に並び始めたタイミングだったみたい。各セレクトショップがだいたい別注しているので、気になる方はそちらもチェックしてみてね。

 

防風パンツ

ユニクロの防風エクストラウォームイージーパンツのおかげで脚はちっとも寒くなかった。防風がいかに大事かを実感しました。

最新モデルを貼ろうかな〜と検索したら今はユニクロで防風パンツ出してないんですね。とはいえアウトドアブランドなら確実にあると思うので、とにかく「防風」ボトムの調達がおすすめです。

 

ポータブル加湿器

PRISMATEの四角いタイプを、日本ではオフィスで使えるかもと思って購入。とにかく喉の乾燥を避けたいのでお守り感覚でした。特に不満はなかったけど、こちらもすっかり廃盤。旅行だけの用途ならペットボトルに挿すタイプのほうがコンパクトでいいかもしれないな。

 

マスクたっぷり

パンデミック以前から就寝時はマスクをする習慣があったので、街中ではなく寝る時にいつものようにつけるべく持参。こちらもあると安心なグッズ。今やマスク無しで旅行は考えられなくなりましたね…。

 

ホカロン

なんか寒すぎて使えないっていう情報をたびたび見かけたけど、少なくとも年末年始の寒さレベルでは普通に使えました!持って行ってよかった!

 

保冷バッグ

銀色のあれ。どうにかして自宅用にバターを持ち帰りたくて。外も寒いので、どこまでが保冷バッグのおかげかわからないけど無事においしくいただける状態で持ち帰れました。

 

持って行ったけどいらなかったもの

現金

これはイギリス(ロンドン)、フィンランドヘルシンキ)も含めて。ほんと〜〜にいざというときのために各国5000円くらいでよかった気がする。両替は都内が良さそう。ただしアイスランドクローナへの両替はケプラヴィーク空港で。成田で焦らなくて大丈夫。

 

着替え半分くらい

特に夫がもりもり着替えを詰めてたけど、インナーの替えさえあればあとはなんとかなる。冬ものは嵩張るからなるべく減らすこと。夫は結局、ロンドンのTOPSHOPで買った虎のワンポイント刺繍がついたスウェットを気に入って、旅の後半ほぼそればっかり着ていた。つまり、これは主に夫宛の申し送りです。

 

SIMの容量(夫の分)

SIMはThree UKの30日・ヨーロッパ12GB(イギリス30GB)・日本語説明書付きのものをふたり分購入しました。使い勝手については大満足!電話も気軽にかけられて便利でした。

ただ、我が家ではもっぱら私が検索係、かつ現地との連絡も私の担当なので夫の分は3GBで充分だった。…とメモしてあったけど、今行くならもっとネット使うかな。どうかな。

日数にもよるけれど、アップデートされたバージョンで6GB(イギリス40GB)があるからこのあたりがちょうどいいかもしれない。

でも私がまた海外に行けるようになる頃にはこのあたりの事情も変わってそうだな〜。

 

ユニクロヒートテック防風手袋

ヒートテック手袋、恐ろしいほどに瞬殺されたのでふつうのウール手袋のほうがましです。アウトドアブランドだとなお安心。あるいは、旅程をレイキャビク観光から始めるなら現地で買うのも良さそう。私は次回はレイキャビクであったかアイテムを調達してから周遊したい!

 

持って行けばよかった!と心底思ったもの

高保湿ハンドクリームとネイルバーム

これはアイスランドに限ったことではないと思いますが…まず飛行機内の乾燥ぶりに、ハンドクリームを持ち込まなかったことを後悔しました。顔用に持ち込んだ乳液じゃ太刀打ちできない。

ハンドクリームは旅行中に買ったものの既にダメージが蓄積されてるとなかなか回復しないし、アイスランドでは寒さに加えて強風によりさらに乾燥するので、ネイルバームとあわせて持参すればよかったなと。乾燥って地味〜にHPを削られるので…。

 

レインコート

100均のじゃなくて、ある程度ちゃんとしたもの。できればフードにつばがついてるやつがいい。

折り畳み傘は持ってたけど、風が強すぎてとてもさせない場面が多々ありました。すれ違う観光客の中に、たまにつば付きのレインコートを着てる人がいてうらやましかった。

 

バラクラバ/ネックゲーター

東京生まれのインドア派が想像できなかったこと、それは顔面に突き刺さる冷気。特にギャウのあたりと、氷河湖での吹雪/強風がつらかった。もしまた冬に行くなら、鼻まで隠れつつも息がしやすいバラクラバかネックゲーターを本気装備として絶対に持参する。

モンベルの良さそうだな〜。

 

オーバーミトン

手袋問題はね、いかつい防風防水手袋単独よりも、ウールの手袋に防風防水オーバーミトンがいいのでは、と思っています。できれば指先を出せるタイプの手袋がいい。本気で防寒したいタイミングだけオーバーミトンを重ねて、それ以外は細かい作業もしやすいウール手袋で過ごせるから。

理想の手袋、編みたいなぁ…と思いながら6年が過ぎようとしている。東京ではダウンのポケットに手を突っ込めばだいたい事足りてしまうからです。編みたいなぁ。

 

iPhoneをグレードアップさせる

星やオーロラは一眼レフで撮ったけど、日中は機動性優先になってiPhone頼りだった。なんとなく買い替えのリズムはできているのですが、大きな予定があるならカメラの性能目的で早めに買い替えてもいいな〜と。


ふりかけ、海苔、塩

多少持参していたものの、もっと必要だった!もちろんごはんも持参する前提です。結局、塩は現地調達もしたんだけど、販売されている単位が大きめなことが多いので持参もしておいたほうがいい。

 

粉タイプの経口補水液、食当たり用の薬

詳しくはフィンランド編でご説明します…。ほんっとに大変だったから、痛み止めや胃薬以外にもいざという時に頼れるアイテムを持っておく必要性を強く感じました。

部活で使われてるようなポカリの粉があれば…なんて話してましたが、経口補水液の粉も存在してた。家の常備用にもよさそうだし、買っておこう。

 

よりスリムな三脚

カメラ持参の場合。今回は家にあるものでいちばんコンパクトなものを選んだけど、それでも嵩張ってたので高くてもスリムで軽いものにしたい。

 

GoProとかInsta360とか

動画撮影につよい小型カメラがあったらずっと回しておきたかったかも。普段動画編集なんてさっぱりしないんですが、思い出を残す形としては動画っていいなぁと思う。

 

番外:シミュレーションしておきたかったこと

傷病時のカード付帯保険の使い方

こちらも詳しくは後述しますが、いざ病院が必要になってから滞在中の国の担当オフィスを探して電話するも、たらい回された挙句に何も役に立たなかったんです。

滅多にないことかもしれないけど、傷病はいつ起きるかわからないもの。ぱっと頼れる先があるのか、連絡先や段取りまで事前に確認しておきたいねと夫婦で話しています。

 

以上。いつかの私に向けての記録ではありますが、少しでもどなたかの参考になれば幸いです。

とにかく防風、ついでに防水です。なるべく体力温存して旅を楽しみ尽くしましょう〜🇮🇸

アイスランド旅行記[10]ブルーラグーンと雪道スリルドライブ

Góða kvöldið!

とってもお久しぶりの、アイスランド旅行記です。

前回の旅行記更新後、実はほんのすこしだけアイスランド語を齧りました。文法はまだまだだけど、綴りから音を読み取れるようになったのがとっっっても便利!なにせ、最初の宿に切羽詰まって電話した時に地名がさっぱり通じなかった経験によって強烈にアイスランド語を学びたくなったので…嬉しいな。

冒頭は「こんばんは」です🌝 ゴゥthe クヴォlディーth と発音する。次の渡氷ではアイスランド語で挨拶したいなぁ。

 

全体の旅程はこちら。

ひとつ前の記事、レイキャビクでのお買い物の様子はこちら。

 

〈目次〉

 

いざ巨大温泉

アイスランド最終日、午後の予定は巨大な温泉ブルーラグーン

ショッピングエリアからはバスでホテルに戻り、日本で片道だけ予約しておいたDestination Blue Lagoonの到着を待ちました。宿泊していたFosshotel目の前のピックアップ場所にやってきたのはツアーバスっぽくない、ふつうのバス。

f:id:emymica:20251203182004j:image

これでBUS HOSTELというターミナルに連れていかれ、長距離バスに乗り換えるという寸法。

しかし、いざBUS HOSTELに着いてみると、乗り換え先のバスに並んでいる人数が明らかに席数より多い。警戒してしっかり並んでたらぎりぎり座れたけど、結局残りの人たちは第2便になってました。そのへんの整理がわりと雑なところもご愛嬌ではありますが。(列整理がぐっちゃりしてる時、我が家では「ゲーマーズを呼べ!」と言い合いがち…)(ゲーマーズさんには仕事で大変お世話になっておりました)


乗り換えた先のバスは、席の間隔は広くはないものの、ふかふかで快適な椅子に、フリーWi-Fiありで快適。

ブルーラグーンまでの道のり、私はさっき買ったシナモンロールをいただきます。

f:id:emymica:20251203152217j:image

飲み物はホテルで入れてきたお水。おいしいんだこれが。

f:id:emymica:20251203152253j:image

 

1時間ほどでブルーラグーンに到着。雪景色よ!

f:id:emymica:20251205182506j:image

岩がいかにも溶岩っぽくていい。

f:id:emymica:20251205205708j:image

 

ブルーラグーンのチケット予約は公式サイトにて。[タオル、ドリンク1杯、アルジー(藻類)のフェイスマスク、バスローブ、スリッパ、LAVA Restaurantのスパークリングワイン1杯付き]のPremiumプラン(当時)を選びました。

14時、入り口でもろもろを受け取り、荷物はロッカーにしまって、水着に着替えたらスマホとともに入湯!

f:id:emymica:20251205183617j:image

もやや〜〜ん

f:id:emymica:20251205184432j:image

よい湯けむりですね…。

とにかく広い。広くて、足元はシリカ(泥パックにできる白い泥)なので踏み心地もなかなか良くて、あったかくて、空も開けてるし、入場時は人がわらわらしていてちょっと心配だったけど入湯してみれば芋を洗うような状態でもなく、のんびり楽しめました。

広さに加えて、お客さんの多国籍ぶりが日本の温泉とはまったく違って不思議な気分。

f:id:emymica:20251205184746j:image

たまにこういう人とすれ違ってウフフとなる。これがシリカパックです。(知らない方ですがお顔まったくわからないので載せました)

私はじっとお湯に浸かっているのが苦手なタイプなので、広大な温泉を練り歩くのは今考えても性に合っていてよかったような気がする。

ひとしきり歩き回って気が済んだところで、ドリンクタイム。

f:id:emymica:20251205185153j:image

夫はビール、私はベリースムージー

f:id:emymica:20251205185552j:image

温泉の中に小屋があって、その場で飲み物を買うことができます。これだけでも非日常感が楽しい。

 

ブルーラグーン内での最大の懸念事項だった「温泉に浸かっている間に置いておいたバスローブやサンダルが無くなってしまうんじゃないか?」については、たぶん、おそらく、自分のものを回収することができました。たぶん。

なにせ規模感としてはラクーア以上の集客具合なので、入湯前の鍵をかけない物置エリアのカオスぶりがすさまじいのです。

覚えやすい場所を選ぶこと、バスローブの紐を特徴的な結び方にしておくこと、サンダルも紐に引っ掛けられれば引っ掛けちゃうこと、なんかを気をつけるといいかもしれない。でも持ってっちゃう人は持ってっちゃうよね…。

 

ちなみにスマホは、我々は一応防水だしなんとかなるだろうと普通のケースをつけたのみの状態で持ち込みました。落とすことはなかったけど、ちょっとばかり緊張はした。

 

溶岩レストランで舌鼓

15時、水着にバスローブを羽織った姿のまま、ブルーラグーン予約時に追加しておいたLAVA Restaurantでのちょっと遅めのランチへ。

f:id:emymica:20251205201242j:image

ロケーションが最高!

店内にはふつうの服装の人とバスローブ姿の人が入り混じっています。なお、我々は写真右端の方のTシャツが気になって仕方ありませんでした。ハスキーアベンジャーズとは。かわいい。

 

そして運ばれてきたごはんたち…。

f:id:emymica:20251205201710j:image

サーモン!ぶあつい!この角度だと伝わらないけど食べた時のぶあつさはありありと思い出せる。おいしかった。

夫のスープがなんだったのかは記憶にありません。6年近く寝かせるからこんなことになるんだ、反省。でもとてもおいしかったことだけは確かです。

そしてお待ちかねの、ラム…!!!

f:id:emymica:20251205201945j:image

ラム〜〜〜!う、うますぎる、ラム。アイスランドに来た甲斐があるというものだ。

その奥のパンとバターも当然うまい。

LAVA Restaurantもお高いので予約時すこし悩みましたが、追加してよかった。お味も、体験としても、大満足でした。

 

で、この後もう一度温泉に入ったのか、そのへんをぶらぶらしていたのかはまたしても記憶が定かではないのですが、ともかくのんびり身支度をして、次なる目的地に向かうタクシーを待ちます。

タクシー。

これが、とっっってもよかった。

 

ブルーラグーンへの交通手段って(2019年末当時は)だいたいレイキャビクかケプラヴィーク空港送迎とのセットになっていて、それ以外の場所を経由したいとなると予定を組み合わせづらかった。

ブルーラグーン付近のホテルなら宿泊にブルーラグーン送迎がついてくるところもあるけど、私たちは翌朝早い便でフィンランドに飛ぶ予定だったので、朝は空港に送ってくれる&なるべくゆっくりするために空港付近のホテルにしたくて。

しかしそうなるとブルーラグーンからの交通手段がなくなってしまう。

そんなわけで、パズルに疲れ果てた私がひねりだした手段が、現地タクシーを日本から予約、でした。

これなら、時間さえ指定しちゃえばどこからどこに行くのも自由ですから。

正確には、私が利用したのはツアー会社のプライベートタクシーだったんですが、ブルーラグーンに限らずアイスランドでの旅程パズルに困った時には頼れる手段だと思います。

これはブルーラグーンエントランス付近に積もっていたさらふわの雪。

 

雪道スリルドライブ

なにしろ寒いので、外ではなく待合室で待つことに。しかし、予約した18時を過ぎて外を何度確認してもタクシーが見当たらない。

おかしいと思っていったん待合室に引っ込み、事前に聞いておいた番号に電話をかけはじめたところ、他のお客さんがドアから顔を覗かせて「あなたmica?タクシーがサイン出してるよ!」と教えてくれた。

ええ?さっきはいなかったのに?と不思議がりながら外に出てみると、タクシーランプのないミニバンの前に、紙のサインを持ったおじさまが。一瞬不安が過ぎるも、運転手さんの持つサインにはちゃんと予約した会社のロゴがある。言葉を交わしたら予約内容も合っていたからまずはスーツケースを載せてもらおうとトランクを開けてもらったら、その中にタクシーランプが転がっていた……そんなことある?

 

車に乗り込む頃には、不安よりも面白さが勝っていた。運転手さんは実に気の良い朗らかさで、運転しながらもあれこれ話してくれる。年越しにみんなが方々で打ち上げる花火はそれはそれは大きなパックで買うとか、お墓はいつでも思い出を込めてイルミネーションで飾られているけど、今はクリスマス仕様になっているんだとか。

ずっと雪が降り続いていたけど、下り坂の雪道でも時速100kmを保ちながら「雪道を走るのは楽しいよ!」と機嫌よく宣うので、豪雨の中をレンタカーで走ってスリップしかけてめちゃくちゃ怖かったんだと話したら

なんで??スリップめっちゃ楽しいじゃん、今やろうか?

などとまた朗らかに返ってきてふたりでのけ反った。無理!というか駄目だろう!

しかしその後、見渡す限り他にまったく車がいないラウンドアバウトの凍りついた路面で、ほんとうに何度かスリップさせてくれたのであった。いや、確かに敢えてのスリップは正直楽しかったです。

 

お洒落ホテルとトロールの洞窟

30分ほどの愉快なドライブを経てケプラヴィーク空港のすぐ東側、アイスランド最後の夜を過ごすHotel Bergに到着。

f:id:emymica:20251208220727j:image

外観かわいい〜!

f:id:emymica:20251208221147j:image
f:id:emymica:20251208221143j:image
f:id:emymica:20251208221139j:image
f:id:emymica:20251208221152j:image

インテリアもすっきり美しくて好み!暖炉があるのも嬉しい。

お部屋の中もたいへんcozyです。

f:id:emymica:20251208221402j:image
f:id:emymica:20251208221348j:image

浴槽はないけど水回りも広々として清潔。このあたりは旅の裏目的のために重視したポイントです。

f:id:emymica:20251208221359j:image

そして、掃き出し窓というかドアを開けた先には雪の降り積もるお庭!なんてこと!

f:id:emymica:20251210000142j:image

窓ガラスには、吹き付けた雪が。いいな〜〜。

f:id:emymica:20251208221352j:image

到着後、即ビールを飲む夫。このサイドテーブルどう見てもHAY…。たしかにデザインが良いホテルだなと思って予約したけどここまで素敵だなんてラッキーである。

f:id:emymica:20251208221356j:image

前日までに買って飲んでいなかったお酒を冷蔵庫に入れて、スーパーへ繰り出すことに。珍しいことに、徒歩圏内に24時間営業のスーパーKrambúðinがあるのです。ありがたい。

 

道中、まずふっかふかに積もった雪を踏むのが楽しい。

f:id:emymica:20251208223307j:image

さらに、なんだかMCUのニューアスガルドみたいな雰囲気の漁港が出てきてわくわく。

f:id:emymica:20251208223533j:image
f:id:emymica:20251208223525j:image
f:id:emymica:20251208223529j:image

木のゲートに書いてある文字、現地では読めなかったけどskessuhellirとある。英語ではGiantess cave、つまりトロールの洞窟。気になる。

f:id:emymica:20251209165934j:image

雪道を歩くこと15分ほどでスーパーに到着、飲み物いくつかと、ヨーグルトやSkyr(スキール)なんかを買い込んで帰還しました。たしか自宅用に持ち帰るバターもここで買ったと思うし、夕飯用の軽食も買ったはず…だけど写真がまったく残っていません。

f:id:emymica:20251209171133j:image

エルダーフラワージュースを飲んでひと息ついたら、露天風呂へ!

f:id:emymica:20251209233006j:image

ブルーラグーンと同じく水着着用です。Hotel Vosでは吹雪に凍えて露天風呂に入れず悔しかったので、ここではしっかり入る。他のお客さんと譲り合いながらのんびり。やたらとお風呂に浸かった1日だったな。

 

さあ、ついに明日はアイスランドを離れます。フィンランドでは極寒のバルト海に浸かったり推定食中毒で寝込んだりしますが、寝込んでいた時間が長いのでたぶんあと1記事で旅行記は終わるはず。

ここまで読んでくださった方、お付き合いありがとうございます。あと少しお付き合いくださいね〜🇮🇸

いぬがきた

10月のおわりに家を買った。

それから、ごく部分的にではあるけれど室内のリノベーションをした。こまごまとしたことをひとつずつ詰めていくのがもはやヘヴィーな仕事並みに労力を要して、フルリノベーションに憧れてたけどフルだとどうなっちゃうんだろう、いやまっさらなところからやるほうがプランを組み立てやすいかな、などと考えつつ、もんどりうって悩みつつ、どうにかこうにかリノベ会社の方々とディスカッションを重ね、1月のなかばに工事が終わり、1月のおわりに引っ越しをした。

大好きだった旧居では、引っ越す前に友だちを招いたり部屋の写真を撮ったりした。そのうちの1日の記録がこちら。

この間、引き続き身体を整えたりカウンセリングに通ったり日々己の心の呪縛に気付いたり歯と顎の不調の原因を探したりもしていた。何もできていないのにものすごく忙しない、ような気がしていた(今ふりかえるとちゃんと前に進んではいたのだけれど、自分の手でなにかを生み出していないと焦燥感がずっとつきまとう)。

旧居を離れる決断をした最大の理由は「ペット飼育不可」であることだった。私は物心ついた頃から猫派だったが、夫の犬への愛が強すぎるあまり、ともに暮らす10年のうちに影響されてすっかり犬派になった。いつか飼いたいねと言いながらも、在宅勤務になるまではドのつく都心にある職場への近さを重視せざるをえず、「ペット可」なんてとても条件に加える余地がなかった。それがパンデミックを経てふたりとも在宅メインの働き方にすっかり慣れ、「ペット可」への願望がいよいよ現実味を帯びて色濃くなってきたところで、次に引っ越すなら借りるのではなく買おうか、という話になった。

私たちの状況からするとおそらく買った方が楽しく暮らせるのだろうと思ったものの、当初私はあまり乗り気になれずにいた。「家を買う」というそれなりのおおごとを自分で判断するために必要な知識や肌感覚がさっぱりなくて、ゼロから身につける道のりは途方もなく長いように思えたので。

しかし夫から『プリンセス・メゾン』を課題図書として買い与えられ、読み終わる頃に徒歩5分のところにあるマンションの内見を取り付けられ、見に行ってみたら確かに「ここはもっとこうあってほしい」という自分の要望がくっきりして、この底知れぬ沼をぐいぐい調べはじめることになった。夫の思惑通りである。

そこからほんとうに色々あって、事件に巻き込まれた親族のフォローに奔走し、親族の家の売却と購入をほとんど我々が代行することになり、自分たちの家探しに力を割ききれずにいるうちに物件価格は日々上昇し、私と夫の妥協できる条件はさっぱり被らず、もう買える家なんて無いなのではないかと思い始めてずいぶん経った頃、『プリンセス・メゾン』を読んでから1年半を経て、ついに結論を出すことができた。


f:id:emymica:20250604183449j:image

f:id:emymica:20250604183445j:image

家を買うことについて考えるためのとっかかりすらわからなくてぼんやりしていたのに、この間毎日欠かさず物件情報プラットフォームを巡回し、周辺のマンション名をあらかた覚え、売買損益を自力で試算し、価格交渉も躊躇わず、ついでに不動産売却時の譲渡所得税の算出まできっちりできるようになった。あちこち(物理的にも精神的にも)歩き回ったおかげで知識と価値観が更新されて、この世界から吸収できるおもしろさが増えた気がする。

とはいえ渦中の日々は、事態が膠着しているようでもどかしく思うことばかりだった。金銭面だけ考えたら時期を逃し続けているし、もういっそ買うのを諦めようか、あるいは引っ越しもやめようかとすら思うこともあったが、それでも諦め悪く探し続けたいちばん大きな理由こそ、犬を飼いたい、だった。

 

まだ肌寒い春の日に、彼は家にやってきた。

引っ越す前からブリーダーさんのところに通って見学させてもらったが、何匹か顔を合わせた中でもとりわけ大きくてもさもさしていて、人間のおじさんめいた雰囲気を醸し出している仔犬だった。もっといかにも仔犬らしくちんまりとして愛くるしい子もいたが、ひとたび彼の妙なおかしみに気づいてしまうと夫も私もどうにも気にかかって仕方なくなり、いったん近場の喫茶店で腰を据えて話し合った末に彼を迎えることに決めた。

f:id:emymica:20250603184904j:image

もぐら、という。

今もすぐそこで、でろんと腹ばいで寝そべっている。かわいい。あと、でっかい。手脚も伸ばしているから5か月の仔犬なのに全長90cmはある。ちなみに体重は6.2kgある。ミニチュアシュナウザーって小型犬のはずなんだけど。

毎日「かわいいねぇ」と語りかけているものの、正直、まだ犬と暮らしている実感が薄い。どういう生き物なんだろう、このもふもふで、メトロノームみたいにしっぽを揺らし、何かあるとすぐにぺろりと舌を出す、ちょっぴり目つきの悪いいぬというやつは。

f:id:emymica:20250603185017j:image

(もぐらのかわいいところのひとつが、この目つきである)

彼を迎えてすぐ、ノイローゼになりかけた。というか、なっていたのかもしれない。実のところ、迎えると決めた直後にまず予想だにしなかった大波乱があったのだが、そこから立ち直ったのも束の間、お迎えからの3日間で心身ともに疲弊しきってしまった。かわいさよりもどうしたらいいかわからない不安と身体の限界が上回り、「私は犬を飼うのに値しない人間だ」と口にせずにはいられないほど心がすり減った期間を経て、夫婦ともに思いがけない学びを重ね、今である。

今は心底、なんだかちょっとへんてこでかわいくて、やっぱりふしぎな生き物だなと思っている。

f:id:emymica:20250514232919j:image

どうやらもぐらは、賢くて強気で物怖じしないけれどそのぶん頑固者で、同じ犬種の平均値の3倍サイズだから声は大きく噛む力も強く、活発で、好奇心旺盛で、甘えんぼうな気質なのである。もちろん年相応に警戒もするし寂しがりもする。だから、それぞれに合った育て方がある中でも、初期にまとまって色濃い難点が出てしまった、そこに我々のウィークポイントがはまってしまったがゆえのノイローゼだったのだろうと思う。

飼い始める前、「犬と暮らしたら心身ともに健康になるよ」なんて夫が言っていたが、少なくとももぐらの赤ちゃん期は己の心の澱が浮かびあがるような時間、要はとんでもなく荒療治のしんどさだった。私はさておき、普段とても心が安定している夫ですらそうだったのが驚きだった。自分たち以外の生き物、言葉が通じなくて、一瞬一瞬をめいっぱい生き尽くしている命と向き合うことで、こんなにも知らなかった自分を引き出されるんだなという感慨がある。

f:id:emymica:20250603185057j:image

もぐらと落ち着いて向き合えるようになってからも、もぐらがいなかったら気付かなかったであろうことが日々ぽろぽろと生まれている。

久しぶりに夫と身を削りながら協働するのを頼もしく感じたり、夫と私であまりにも気質に違いがあることを改めて認識して可笑しくなったり、生活のほとんどを徒歩圏内で済ませるようになって入ったことのなかった近所のお店に駆け込んだり、まだお留守番ができないからスケジュールの組み方が変わったり。そういえば私は基本的に動画よりも文字情報のほうが好きなのに毎日ひたすらYouTubeでトレーニング動画を漁るようにもなった。

自己否定の権化のような私が、もぐらが「できない」「失敗する」ことに対しては気にならず、忍耐強く冷静に観察できるということがいちばん意外な発見だった。「できない」ことで困ったことになる状況そのものは嫌だが、人間が困る=欲求をうまく満たせずにフラストレーションが溜まるのはもぐら自身もしんどかろう、ならば根本的な解決のための手段を模索しよう、これが合わぬなら別のやり方をいくらでも探そう、どんなに細かくともできた瞬間を見逃さず拾い上げて自信を持てるようになるまでやり抜こう、という思考回路が安定して働くのだ。なんで? 自分に対してはいちいちネガティブスパイラルに囚われて悩んできた人生だったのに(それも解きほぐしつつあるけれど)とっても不思議。きっと私の良い資質が余計な足枷なしにフルに使われているんだろうな……とは思うものの、心理療法で己と向き合い始めたからこそ、人間ではないとはいえ理解しあえそうな存在であるちいさな命に、自分がかけられてきた呪いをかけてしまわずにいられることに新鮮に驚いている。

f:id:emymica:20250603232445j:image

いつになったら犬と暮らしている実感が湧くんだろうなぁ。今はまだ上手にできないおさんぽがスムーズにできるようになったら実感するのだろうか。シュナウザーの成犬らしい色合いになったら、だろうか。もしかして、「もぐらはもぐらという生き物」という感覚のままいくんだろうか。

どうなんだろうねぇ、ともぐらを見やったら、今度はおなかを丸出しにして気持ちよさそうに寝ていた。かわいい。あと、毛がとてもふわふわ。撫でたらフスフス言いながら伸びをした、かわいい。いぬはそのままのびやかに生きていきなよ、人間はなんかうまいこと導けるようにがんばるからね。

f:id:emymica:20250604004925j:image

National Theatre Live「善き人」2回目:妄想と現実の狭間で

2024年4月下旬、夫を誘ってDavid Tennant主演National Theatre Live「善き人」最後のアンコール上映を観てきた。

その直前に、半年ほど下書きフォルダに眠らせていた初見時の感想を記事にした。ささやかながらTwitterで最終上映のリマインドをしたかったのと同時に、1回目と2回目で受け取るものがどう変化するのか、アウトプットすることではっきりさせたいと思ったからでした。

1回目、明らかに取りこぼしてるものが多いと自覚していたが、この間に心理状況の変化があったことも相まって2回目はまったく違う見え方になった。前回ぽやぽやと漂っていた思考の欠片がすっきり収斂した感がある。

現時点で日本で観るすべがないのが残念なのだが、いつか再上映や配信があることを願って、2回目の感想も記しておきます。ヴィゴ・モーテンセン主演の映画版も観てみたいな。

 

……と書いてから1年が経っていました。久しぶりに下書きを開いたら99.9%書き終えられていてのけぞっちゃった、なんでさっさと公開しなかったの、私。

いちおう、ぼんやり覚えてはいる。あまりに思考の奥の方を引っ張り出して整理する作業だったので、書いたものが意味を成しているのかいないのか、よくわからなくなった。そこにちょうど心身の不調が訪れて、ますますわからなくなったし、否定的にもなった。しんどくてぎゅっとなっていたいろんなものがすこしずつゆるんできたので、今の日付で公開しておきます。

 

以下、今回はすべて内容に触れています。

f:id:emymica:20250519221150j:image

©️Johan Persson 引用元:NTL善き人公式ページ

 

捻じ曲げられた「現実」

この作品の大きな軸として、主人公ジョンの頭の中に鳴り響く音楽がある。ジョンの脳内に流れる曲を、観客はBGMとして聴きながら観る。

冒頭、ジョンは親友であるユダヤ人医師モーリスに、「頭の中に音楽が鳴り響いて、妄想と現実の狭間にいるような感じなんだ」というような悩みを吐露する。認知症(確定だった)なうえに目もほとんど見えていない実母と、なんらかの精神疾患を抱える妻、そして当然ケアしなくちゃいけない子供3人。負担が重すぎる。それはストレスフルだよね、音楽も勝手に鳴り響いちゃうよね、とは1回目も2回目も思った。

が、不倫相手となる女学生アンとのシーンで、その解釈がちょっと通らなくなった。どう聴いてもそれってストレスから来る音楽では……ないな? ジョン舞い上がってるよね? 普通に心情を盛り上げる音楽だ。

自分で申告した通り、ジョンは現実を直視するのをやめている。その「現実」には彼自身も含まれているんだろう。大学教授の職に就き、小説も発表しているけれど、家庭のごたごたに疲弊している今の自分はほんとうの自分ではないと思ってるんじゃないか。

どうにも私には、ジョンは単なる権力欲以上に、自分(の真価)を認めてくれる人への渇望からナチスを正当化する道に突き進んでしまったように思えてならなかった。他者の痛みと自分の心の虚、天秤にかけるまでもないくらいに、虚にフォーカスしているような。

どこかで過ちの気配に気付いたとしても、自分で自分を認められない時に認めてくれる人、しかも力を持った人から離れるのはあまりに難しいことだろうな。認めてくれる人を盲信していれば、自分が認められている状態=正しい状態であると確定した世界で生きていられるもの。(偏ったタイプのスピや宗教、アイドル、その他なんでも盲信して思考を放棄してしまう現象は、正しさが明確な、答えがある状態であり続けたいがゆえなのかもしれない。それをしている限り自分は正しいと信じられる)

果てしなく他人軸なところが、想像するだに辛い。時代や立場からすると、それが普通なのかもしれないけれど。自己受容や自分への信頼って今生きている身体や心や世界を感じ取ることから生まれるように思っていて、それをシャットダウンしてるならずっと別の軸にすがって生きていかなきゃいけないんじゃないかな。最終的に「恵まれている」と言いながらも、特権には無自覚そうに見えるのもそういうところに起因するのかもしれない。

初めてドイツを脱出したいと相談するモーリスに落ち着けと諭す場面には異常事態下の正常性バイアスを感じたけれど、モーリスと会うたびに徐々に自己の正当化の比重が大きくなり、ジョンが「現実」から遠のいていくのがわかる。「水晶の夜」の前後に現れたモーリスは何度考えてみてもジョンの妄想としか思えない。あれだけ突き放しておきながら、モーリスに対しても善き人である体を保ちたいがゆえの言い訳を聞いてもらう、妄想の産物。現実に目を瞑ったことがしんしんと伝わってきて胸が抉られる心地だった。

演奏するユダヤ人たちを前にしたジョンの台詞"The band was real."で物語は終わる。私が1回目に「無関心さが怖い」と書いていたものだ。現実を見ているかのようでいて、明らかに現実を見ていない。頭の中の音楽、自分の思考や感覚が「妄想」ではなく「現実」なのだと確かめられたことに安堵している。自分の信じている正しさはやはり妄想の産物ではなくてほんとうの正しさなのだ、今から行うことも正しいのだ、という最終確認。自己保身の完成した瞬間。

「現実と妄想の狭間にいるみたい」とモーリスに相談するところから始まって、「現実を見ていない」と非難し、それでいて自分に都合の良い「現実」を作り上げて終わる。見事にブーメラン。こ、こんな綺麗にまとまってたんだ、すご〜〜〜! となりました。己の語彙の貧弱さがかなしいけど、脚本が、すごい……。1回目は思考をいろんなところに引っ張られて気が付かなかった。でもそうやって引っ張られるポイントが無数にあるのもまたすごい。どこまで計算されているんだろう。

 

異なる受容体

鑑賞後、うむ面白かったなどと当たり障りのないことを言いながらTOHOシネマズ日本橋を出て、目の前にあったタイ料理屋さんに腰を落ち着けた。とりあえずバインミーとフォーを頼んで、どうも釈然としない雰囲気の夫に感想を求めると、出てきた言葉は「シンプルに主人公がクソすぎない?」だった。それはそうだ。そうだけど! さらに、「クソだけど家族を守るためにあの選択をせざるを得ないのはわかってしまう、実際に家族が危機に晒されるかもしれない時に道徳的な選択をできるか?」と言う。おお、選択と境界線の話は1回目の私と同じところに着地する。とはいえ、早速着眼点が違った。

鑑賞中の意識として、私は「もし私がこの状況に置かれたら」、夫は「現実で家族を守るには」にフォーカスしているところからしてまず違う。ただ、しばらく掘り進めてたどり着いた最も大きな分岐は、夫は物心ついた頃から自己を肯定できているので自己を否定している心理状態の実体験がなく、一方の私は長いこと無意識下で自己を否定し続けていたという点にあった。自己評価やら自己効力感やらではなく、ほんとうに根本的なところの自己肯定の話です。自己を肯定して生きてきた夫からすると、ジョンが「ほんとうの自分を認めてくれる人」を渇望しているのではないかという私の解釈は青天の霹靂だったらしい。清々しいまでの食い違いっぷり。

食い違いはまだあった。夫は英語をほとんど解さない。よって、音声の台詞からは声のトーンといった感情の雰囲気以外の情報を得ていないし、字幕に集中する必要があって役者の表情などの情報を取りこぼしている箇所が多いはずだと言う。映画なら字幕と映像内の情報を同時にキャッチしやすいのに、演劇を演劇として(字幕前提でなく)映しているからその点はとても見づらかったそうで、私が気付かなかったポイントだった。私も音声を100%理解できているわけではないが、ある程度は聞き取っているので字幕だけに集中しなくてもいい&字幕と同時に音声でも情報が入ってくるという状態ゆえに映像にも意識を割きやすいのだと初めて気が付いた。映画の構図って奥深いねぇ、としみじみ。

そのうえ職業病で、引っかかるところがあるとすぐに「自分なら物語をどう見せるか」を考えてしまって没入しきれずにいたようだ。夫としては、モーリスの物語をもっと描写したほうが良いのではと思うらしい。(この作品は「日本人向け」ではないとわかったうえで)日本人に向けて作るとしたら現地の観客よりもホロコーストに関する知識が少ないことも踏まえなくては、ひとつの物語の中でメッセージを完結させるならもっと悲惨さにフォーカスすべきでは、とも。その他にもあのキャラをああして、ここをこう整理して組み直したらどうなのか、いやわかりやすさを求めすぎてるのかな、みたいなことが延々と出てくる。脚本にただただ引き摺り込まれ圧倒されていた私には1ミリも芽生えなかった発想でひたすらに面白い。

夫はMARVEL以外の海外作品はそこまで好まないしな〜どうかな〜とは思っていたが(それでも誘ったのは、境界線というテーマが好きな人だからだ)こんなにも多角的に受け止め方が異なるとは予想しておらず、ごはんの後も家に着くまで互いの感想を掘り下げ続けることになった。着地点が何も見えなくても、思考を探り探り言葉にして、異なる受容体でどう味わわれたのかを知る、こういう時間はとても楽しい。他者の考えに触れると、自分の考えもアウトラインがすこしくっきりして見える。

 

言い知れぬ怖さの正体

そんな中でも強く意見が合致したのは、ジョンの不倫相手から妻となったアンの邪悪さだった。1回目鑑賞時の私は、当時抱えていた事情によりジョンへの感情移入が大きくて、嫌なタイプだなとは思いつつもそこまでアンを邪悪に感じていなかったように思う。ところが2回目、もう、圧倒的にアンが怖かった。徹頭徹尾(さりげなく)まちがっていて自己保身の名手なのはアンだった。ジョンをことごとく思考放棄へと誘導している。でも、なんというか、アンは不倫以外には何も名前のついた罪を犯していないのだ。外から見ているとこんなにも怖い存在なのに、明確に断罪できる行為がない。それがまた怖い。

1回目の感想を読んでくださった未鑑賞の方から「ハンナ・アーレントみたいだと感じた」と聞いて検索してみたら、たしかに根底にあるものがぴたりと合致していた。引用の引用になってしまうが、Wikipediaによると、ドイツ系ユダヤ人として第二次世界大戦を経験したハンナ・アーレントは「リアリティとは、『ナチは私たち自身のように人間である』ということだ。つまり悪夢は、人間が何をなすことができるかということを、彼らが疑いなく証明したということである」と述べている(「悪夢と逃避」『アーレント政治思想集成 1』)、らしい。この作品から感じる言いようのない怖さ、知らぬ間に心臓を握り込まれているような怖さは、まさにこれだ。アンは、ナチスのしたことを既に知っている観客にとって、ジョン以上にさりげなくて強烈なリアリティの装置になっている。

改めて「善き人」の作品紹介を見ると「ポリティカルスリラー」と記されていて深く納得した。大学の講義シーンが最たるものだが、ジョンが個人主義を利己主義とすり替えて声高に非難しているのも妄想と現実の話同様ブーメランになっていて、ジョンは自分をhappyに保つために、つまり利己的な動機によって全体主義に溶け込んでいく。たとえ歴史として学んでいても、今この瞬間に他の国で殺戮が行われていても、自分の身に降りかかるまでは他人事になりがちな気持ち。それこそがジョンと同じ道に繋がっているのだと、この枠組みに入ったらあなたもこうなるのではないかということを、恐怖を自然に湧き上がらせることによって提示される。だから心の奥底に直接触れられたような心地になるのだろう。これを書き上げたC. P. Taylorの熱意を思うと途方もない気持ちになる。

夫に言われて気付いたが、そういえばジョンは自分のことを自発的に「善き人」と形容してはいない。彼を"GOOD"と言っているのは冒頭のモーリスと、正当化を後押しし続けるアン。ジョンはアンに促されるようにして、最後にようやく自分たちふたりをGOODだと口にする。はじめとおわり、同じ"GOOD"という言葉が示す人間は残酷なまでに変容してしまった。劇中で繰り返される「僕に何ができる?」というジョンの台詞、何もできやしなかっただろう、と訴えかけてくる目。私もあの目をしちゃってるんだろうなと思う瞬間はいくらもあって、これから思考を放棄したくなるたびに、テナントさんを通して表されたあの目が、GOODってどういうことなんだっけ、あなたはどうあろうとするのだ、というプリミティブな問いを私の脳裏に引きずり出すのだろうな。

 

や、やっと書き終えられた……箇条書きでずらずらメモしてはいたものの、あまりに取り留めがなくて文章化するのにとても時間がかかってしまった。でも2回目を観る前にいったん記事を書いておいたのは我ながら英断だった。キャッチしたものがまったく違いすぎて、書いていなかったら記憶が更新されちゃってたと思う。

受け止めたもの、必ずしも言語化する必要はないと思っているのだけど、言語化・文章化の過程で得られる栄養は確実にある。たまには気合いで言葉として出力するのもいいものですね。